三者三様の苦悩…「ここは今から倫理です。」第5話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

連ドラについてじっくり語るブログ

連続ドラマでこれは面白いという作品のみをマメにチェック!

その内容紹介、批評、さらにヒット分析など、あらゆる情報を連ドラ好きの方々のために提供するブログです。

今回は二人の生徒と、高柳(山田裕貴)自身の三者三様のひりひりした苦悩が描かれ、三人の好演で、




見ていて息苦しくなるほど引き込まれる、これまで以上に見ごたえある回でした。




NHK  土曜23時30分
「ここは今から倫理です。」第5話

主演…山田裕貴
脚本…高羽彩
演出…小野見知



まずは自傷行為をやめられない高崎(吉柳咲良)。母親が宗教にはまっていて、娘を責め立てるようなことばかりを言う毒親。




自傷行為も神が解決してくれると言いはりますが、それに逆らうように自傷行為を続けています。




もう一人の都幾川(板垣李光人)は母親にネグレクトや虐待を受けたらしく、人との距離がはかれず、保健室登校している生徒。




都幾川は高柳の授業だけは出ていて、穏やかに話す高柳が好きらしく、授業後も高柳に腕をからませ話しかけてきます。




しかし、そんな身体のふれあいで心の安らぎを求めてくる都幾川を、高柳は拒んでしまいます。




高柳には高柳なりに考えあってのことなんですが、倫理の授業で言葉を伝えて救いたい高柳との間には埋めようのない溝ができてしまうのです。




言葉で都幾川の才能を誉める高柳に、都幾川が「ギュッとして」と求めるのに、高柳は困った顔をしてしまい、都幾川が困らせてごめんなさい…と泣きながら去っていくシーンは、なんとも切なく痛ましいシーンでした。




しかし、救いのないまま終わるわけではなく、教室でリストカットしようとする高崎を、都幾川が飛びかかって止めるのでした。




身体を傷つけてはいけない…
心に傷を負い続けた者同士だからこそ言える言葉の重さでした。




しかし、授業中にそんな行為に及ばれたことに高柳はおのれの無力さを感じ苦しみます。




大学時代に教授から言われた「人を救えるのか」という言葉が重くのしかかります。





このドラマは教える側の苦悩も描いているのがユニークです。
今回は高柳の考えは間違っていると否定する養護教諭の藤川(梅舟惟永)の存在が、高柳の苦悩を見事にあぶり出しました。




しかし、このドラマ、毎回生徒役の子たちの演技が素晴らしいですね。
キャスティングの目利きに感心します。




今回の高崎役の吉柳咲良は「青のSP」にも出ていてホリプロ期待の新星。高畑充希のあとに「ピーターパン」をやっていた王道を歩んでます。




一方の都幾川役の板垣李光人は小学生の頃からイケメン俳優を量産するスターダストに所属する逸材のようです。



不思議な魅力があるタイプで今後が楽しみです。




今回の評価は…