個性的なメンバーばかりの2折班の中でもとりわけ目を引くトランスジェンダーの香織(北村有起哉)
さまざまな役柄を演じ分ける名脇役の北村が、初回からサラリと自然体で演じていて、香織をフィーチャーする回を早く見たいなと実は期待していました。
期待通りに今回は北村の演技が光る回となりました。
NHK 金曜22時
「半径5メートル」第4話
主演…芳根京子
脚本…橋部敦子
演出…岡田健
子どものSNSをテーマに特集を組むことになった2折班。
実は香織には離婚した妻との間に娘がいて、20代の女性になりすましSNSのやりとりを続けていました。
しかし、その娘が悩みを相談したくて会いたいと熱望してくる。困った香織は今までのやりとりを風未香(芳根京子)に覚えさせ、なりすましのなりすましになって娘に会ってもらうことにします。
後日、母親とケンカした娘は、夜遅くにファミレスからSNSを送ってきます。
気が気ではない香織は、男性の姿に戻り、そのファミレスに向かいます。
今夜泊めてほしいと頼む娘に拒むと、なりすましSNSの方にお願いが届きます。
急きょ風未香を呼び付け、代わりに泊めてもらうのですが…
SNSのやりとりで自分らしく生きるようアドバイスし続けてきた香織は、後日娘を家に招きます。
そして、女性として生きていくために離婚したことも明かし、トランスジェンダーとして生きていく怖さも喜びも語るのです。
淡々と、しかも心に染みるように語る北村有起哉の言葉1つ1つが見事でしたね。
女装してなくてもちゃんとトランスジェンダーでしたしね。
女装して本来の姿になった香織は娘とケーキを食べ、娘の悩みを聞きます。
好きだった女の子に友だち以上に好きだと気づかれ離れられてしまった…とのこと。
香織はこう答えます。
「怖いよね、でも胸を張って。それが怜奈なんだし、人を好きになるのは素敵なことだから」
怜奈はSNSの相手が香織だったと気づきます。流石わたしの娘と誉める香織。
この先、ステキな親子関係になりそうですね。
こちらのエピソードが良かったために、宝子(永作博美)と風未香の取材は中途半端になってしまいました。
このドラマって取材は断片的に描かれますが、それがどんな記事になったかとかはあまり見せませんね。そこがちょっと気になります。
今回の評価は…