行間から感じるドラマ…「大豆田とわ子と三人の元夫」第9話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今さらながらですが、このドラマは作り手の側が見る人を選んでるドラマだと思っています。





…というのは、親切すぎるくらいにセリフであれこれ説明し、明らかにするドラマが多い今の連ドラの中で、





アンチテーゼのように、あえてこのドラマは言わなかったり、見せなかったりすることで、小説の読者が行間から感じるようなことを連ドラの視聴者にも求めているのです。




今回もそれを強く感じました。





フジテレビ 火曜21時

「大豆田とわ子と三人の元夫」第9話


主演…松たか子

脚本…坂元裕二

演出…瀧悠輔





例えばプロポーズされた小鳥遊(オダキリジョー)にそれを断り別れるシーン。





このドラマはとわ子(松たか子)が小鳥遊に断りを言うところはあえて見せません。





小鳥遊を見送りに行き、ハグして別れるところだけ見せ、とわ子がどんな風に言ったかは、視聴者はその別れる姿から想像するわけです。






そのあと、八作(松田龍平)の店に向かったとわ子は八作に偽らざる思いを告げます。





今でも好きだよと告げると「(だったら)両想いだ」と答える八作に、こう言います。




「だからあなたを選んだ。あなたを選んで一人で生きることにした」

「無理なのかな?」

「今だってここにいる気がするんだもん。三人いたら恋愛にはならないよ。こうやって思い出してあげようよ。三人で生きていこうよ」





かごめ(市川実日子)の名前を出さずに、とわ子にとっては無二の親友、八作にとっては永遠の片思いの人を二人は偲ぶのです。





三人で生きていくって、実に切なくやるせないですね。

失った重さがずしんと来る会話でした。





とわ子と八作がそのまま夫婦でいたらどうなっていたかを想像するのも、わざわざそれを映像で見せたことが、余計にままならなかった現実の重さを感じさせました。





切ないと言えば、自分は八作にはかなわないと思っているのに、まだとわ子を好きな慎森(岡田将生)が、思いのたけをとわ子にぶつけていましたね。





「人の孤独を埋めるのは愛されることじゃない。愛することだよ。君には愛する人がいる。知ってる。僕じゃない…」





慎森は言動はひねくれてますが、一番ピュアなんですよね。





毎回、私めが楽しみにしている慎森と鹿太郎(角田晃広)の言い争いですが、今回は鹿太郎からの電話を切りまくったあげくに、





どちらもスマホの画面の中どうしで言い争いするってところまで行きました(笑)





今回の評価は…