若きトキコの苦渋の決断…「生きるとか死ぬとか父親とか」第10話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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私めはこのドラマを見ると向田邦子脚本のドラマを思い出します。




前回の若きトキコ(松岡茉優)が、父親哲也(國村隼)の愛人(内田慈)が見舞いで持ってきた赤い花を無表情で捨てるシーンなど、その最たるものでしたが…





今回のトキコの母親(富田靖子)が娘に語った映画「ひまわり」の話もドキっとする話でした。






テレビ東京 金曜24時12分

「生きるとか死ぬとか父親とか」第10話


主演…吉田羊、國村隼

脚本…井土紀州

演出…山戸結希





余命わずかな病床で母親は、トキコに大好きな映画「ひまわり」を見たいと言います。






「ひまわり」のヒロインはイタリアからロシアに出征したきり帰って来ない夫を、苦労して訪ね探したら、戦地で別の女性と家庭を持っていたという話で、





その地にひまわり畑が広がっていたのです。

映画のヒロインは帰国し、自分も別の男性と家庭を持ち直しますが、





トキコの母親は夫の不倫を見るか知るかしても、知らぬふりして暮らし続けてきたんでしょうね。

富田靖子の抑えた演技に深いニュアンスがありました。






ひまわり畑を見たいと言うのは、とても意味深に感じましたね。






私めが大好きな向田邦子のドラマ「阿修羅のごとく」でヒロインの母親が夫の不倫に感づいていながら知らぬふりして裁縫を黙々としているという怖〜いシーンがありました。





夫に対しての恨みごと1つ言わずに死んでいく母親の中にはきっとドロドロした感情もあったでしょう。





年齢を重ねてトキコはそんな母親の負の感情に思い至ったのだと思います。





父親は自殺しかけるし、母親は病状が悪くなるしで、どちらも世話できないトキコは頼る人がなくて、





一番頼りたくない父親の愛人に、父親の世話を頼むという苦渋の決断をします。





意気揚々とまたあの赤い花を持って病院にやってくる愛人とトキコが廊下ですれ違うシーン。





決して認めたわけではない相手に、認めたように思われてしまう無念さ、松岡茉優の何ともいえない眼差しが印象的でした。





今回の評価は…