このドラマはきちんと丁寧に構築された青春群像劇で、最終回1つ前の今回はラストに向けてこれまで描かれたことのその後が1つ1つ回収されていきました。
日本テレビ 土曜22時
「コントが始まる」第9話
主演…菅田将暉
脚本…金子茂樹
演出…金井紘
このドラマがいかに優れた群像劇であったかを今回は図らずも示してくれました。
主役は菅田将暉演じる春斗ですが、決して春斗中心に話が進むわけではなく、時には春斗が脇にまわって、脇のキャラが引き立つような役割をちゃんと担ってきたからこそ良いドラマになったんですね。
しかも、その脇キャラには主演をやってもおかしくない人を配したために、毎回見ごたえあるものになりました。
…さて、回収されたネタですが、まずは潤平(仲野太賀)が気にしていたのは春斗がいかに意固地になったり気にしすぎの自分をサポートしてくれていたかということ。
そのせいで、高校の時も奈津美(芳根京子)の元カレの勇馬(浅香航大)と気まずくなり避けたために、春斗まで合わせるようになり、
最近も好意で勇馬がくれかけた仕事を気まずく断わってしまった。
そこで、潤平は春斗に内緒で勇馬に連絡し、瞬太(神木隆之介)の働く居酒屋に来てもらい、旧交を温めたのでした。
春斗は嬉しそうでしたね。
勇馬はホントに悪気のないイイ人で、あの仕事も断わらなければ良かったのにと思わされました。
春斗の兄(毎熊克哉)も働くようになり春斗と会う喫茶店のシーンは良かったですね。
仕事で失敗し引き込もっていた時に、友人が連絡してきてくれて、その父親の印刷会社で働くことにしたようです。
友人が垂らしてくれた糸を上がることしか考えてないという表現が印象的でした。
自分を救ってくれた人のために尽くしていきたい…というのは、瞬太が高校の時に屋上で春斗に声をかけられ、死なずにすんだ話にもリンクしていました。
だから春斗のためにもと瞬太はこれまでやってきたんですね。
真壁(鈴木浩介)一家とのバーベキューに誘われ、真壁の息子に失敗したら大変そうだから夢って追いかけない方がいいのか?と聞かれます。
あとで、瞬太に春斗は言います。
マクベス号は何のお宝も発見できず沈没しちゃうけど、お前らと冒険できて良かった…
10年におよぶ冒険は無意味ではなかった…
そう春斗が思っているとわかり、ホッとしました。
脚本家からの温かいメッセージでもあるでしょうね。
失敗は負けではないという…。
春斗はどんな再出発をするのか気になります。
あと、潤平が奈津美の父親(でんでん)に結婚前提の交際を申し入れるシーン、仲野太賀が凛々しかったですね。
奈津美の父親も車のナンバーを723にしていて、潤平が感動するのも良かったです。
今回の評価は…