純粋な研究者が飲み込まれていく闇…「白い濁流」第1,2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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すWOWOWで放送しそうなテーマの作品ですが、NHKのBSプレミアムでの放送です。




見ごたえある優れた作品なのでBSでなくNHK総合の土曜21時枠で放送しても良かったのにと思います。





NHK  BSプレミアム 日曜21時

「白い濁流」第1・2話


主演…伊藤淳史

脚本…池田奈津子

演出…水田成英




もうお忘れかと思いますが、夏ドラマが始まる前に記事にした「夏ドラマ期待度ランキング」で、この作品は「TOKYO MER」「#家族募集します」に次いで3位にランキングした作品です。





恋愛ドラマ、刑事ドラマ、医療ドラマばかりの夏ドラマの中で唯一の社会派ドラマ。

大学の研究者と関連企業の癒着などの暗部に迫るというテーマのユニークさにひかれ上位に選んだのです。





原作小説は食品開発の研究者だった人が書いているのでリアルに暗部を描いてくれるだろうと…、





録画したままだった第1話と第2話を一気にまとめて見ましたが期待通りに見ごたえある作品でした。硬派な作品好きの方にはオススメです。





伊藤淳史が演じる薬学部の研究者、好並は親に借金までしてもらって大学に入り、アルバイト代で奨学金を払いながらぎりぎりの生活をしているが、真摯に研究を続けています。





不器用でアピールも苦手なので、親友の柏木(桐山漣)と違い指導教授の山本(矢島健一)にもあまり相手にされません。





そんな好並は山本の紹介で北野堂製薬の北野社長(西村まさ彦)の娘・葉子(藤野涼子)の家庭教師をしており、その関係から北野堂製薬の食品添加物による騒動に巻き込まれるのが第1話。





食品添加物が入ったクッキーを食べた消費者から体調異変のクレームが来て、落ち度は製薬会社、製菓会社のどちらにあるか調べるよう好並は北野社長に頼まれます。




好並は北野堂製薬の食品添加物が今までと違う材料にしたからと調査結果を報告。しかし、幼なじみの河原(佐々木希)が製菓会社に見学に行くのに同行し、工場ラインの変更による異物混入の可能性もつかみます。





北野社長は好並をうまく利用して事実を知り、自社製の食品添加物をこっそり回収し、ピンチを切り抜けます。

西村まさ彦が清濁併せ呑むしたたかな社長を魅力的に演じています。





愚直な感じの男を演じるのを得意とする伊藤淳史がはまり役で、純粋な研究者がいかに変貌していくかが楽しみです。





クッキーは回収されなかったので、それで娘が寝たきりになってしまったシングルマザーがいて、こちらはずっと話が続いていくようです。





第2話は好並が研究の末に発見したペプチドがビッグチャンスにつながると分かり、山本教授は自分のバトロン的な企業にブレゼンさせ、企業も食いつき、それを制品開発するので好並の研究ノートをこちらに渡せと言います。





なんだか小保方さんのSTAP細胞騒動を思い出させるような話でしたが、





自分も製品開発に関わりたいと希望しても拒否された好並は、自分のために研究室まで用意してくれた北野社長に心が傾き、





北野が用意した山本の製薬会社との癒着がわかる証拠を山本につきつけ、自分の研究成果を学外に持っていっても大丈夫なようにします。





自分が生み出した研究のためなら汚れてもよいという覚悟の上で、北野堂製薬の研究員に鞍替えします。

こうして自信なさげな好並は変わっていくんでしょうね。





第2話は好並と柏木の対比もうまく描かれていました。

両親は自慢の息子と応援してくれる好並に比べ、和菓子屋の跡継ぎの柏木は、ぜひとも助教になって、跡継ぎを諦めさせたいようです。





柏木は山本の不正を立ち聞きしてしまいながら、他言しない代わりに助教の座を手にします。

桐山漣が柏木の複雑な感情を繊細に演じてます。





今後も、どんな製薬や、食品開発の実態が描かれるか楽しみです。





今回の評価は…