じわじわと麻衣子(門脇麦)がちょっと厄介な感じになってきましたね。
今回のベランダの壁越えもそうですが、次回予告では夫・拓也(大東駿介)の不倫相手・歩(蓮佛美沙子)や、二葉(森山直太朗)の妻・聖(西田尚美)にも牙をむきはじめるようですし…
テレビ東京 月曜23時06分
「うきわ~友達以上、不倫未満~」第5話
主演…門脇麦
脚本…神田優
演出…風間太樹
このドラマがよくできているな~と思うのは、朝のゴミ出しとベランダでの壁越しの会話という2つのシチュエーションを毎回繰り返し繰り返し見せながら、
その変化で、麻衣子と二葉の関係性の変化を象徴させるという手法の巧みさにあります。
距離が近くなりすぎたので、こっそり二人で会食した程度なのに、「なかったことにしましょう」と二葉に距離を置きたいように言われてしまった麻衣子。
朝のゴミ出しは一緒に行くことはなくなり、ベランダで二葉がタバコを吸っていても、麻衣子は我慢してベランダに出なくなります。
部屋の中から、ベランダの壁の向こうからタバコの煙が流れてくるのを麻衣子が見ているシーンは、麻衣子の寂しさを象徴する印象深い映像でした。
そんな麻衣子の背中を押したのは、麻衣子のパート先の同僚、佐々木(髙橋文哉)で、中山さんは表情には出るけど、思ったことは口にした方が良いと言ってくれました。
不倫をやけに毛嫌いする佐々木は、自分の父が不倫しながら、両親は離婚しなかったらしく、その夫婦の不可解さを身近に見てきたようなのです。
この佐々木役の髙橋文哉は、私めがポスト三浦春馬として注目している逸材ですが、セリフに重みを持たせていて、この役は良いですね。
…で、二葉への思いがつのり、なかったことにしたくない麻衣子は、二人を隔ててきたベランダの壁を超えて、二葉のもとへ行く暴挙に出ます。
その前にタイヤ引きをして鍛え、ロープが切れて壁に体当たりして破る妄想の映像がありました。
こういう映像の遊びが、シリアスなドラマにゆるみを与えていますね。
二葉の投げてくれた「うきわ」のおかげで、麻衣子は溺れず、流されずに浮いていられた…というイメージも分かりやすかったです。
なるほど、タイトルの「うきわ」はこのことだったんですね。
今回は麻衣子の様子がおかしいことから、いろいろ勘繰り悩み悶々とする拓也もおかしかったですね。
麻衣子に問いただすこともできず、その真意がわからぬまま、距離を置きかけた歩ともまたズルズルと不倫を再開してしまうという弱さ、もろさを大東駿介がリアルに演じてました。
歩には別の男もいるらしいから、それもまた哀れな感じですね。
門脇麦の抑えた中に秘めたエネルギーを感じさせる演技が、回を追って凄みを増してきました。
次回以降が楽しみです。
今回の評価は…