あともう1話あってもいいような内容をギュッと詰めこんだ最終回でした。
序盤は丁寧に作り込んでいた作品だけに、駆け足の展開になり粗っぽい作りになってしまったのは残念でした。
NHK BSプレミアム 日曜21時
「白い濁流」最終回
主演…伊藤淳史
脚本…池田奈津子
演出…水田成英
TMペプチドに毒性のある物質が混入されていたことを隠蔽するために、倉庫に時限爆破装置を仕掛けて燃やしてしまった好並(伊藤淳史)。
隠蔽を阻止すべく持ち出そうとしていた森山が、その場に居合わせたものの一命は取り留め、
好並は爆破装置を見られたのでは?と森山の意識が戻ることに怯えます。
そんな中、好並は出身大学の学業優秀者表彰式のゲストに呼ばれ、会場にはTMドリンクが…。
隠蔽に気づいた柏木(桐山漣)や河原(佐々木希)、それを聞かされた妻の葉子(藤野涼子)が会場に乱入し、好並を問い詰めます。
その場に意識が戻った森山から事情聴取をした刑事が現れ、逃げ出す好並。
懲戒解雇になり好並を恨む山本教授(矢島健一)に手を刺され、指先が不自由になってしまいます。
病院で葉子から、柏木はTMペプチドの毒性を改善する糸口を探してくれていたと聞かされた好並は改心し、警察に自供し、服役します。
数年後、出所した好並を社長に復帰し会社を立て直している北野(西村まさ彦)と葉子、そして娘の葉奈が迎えます。
葉子は頑なに好並と別れることを拒み、私財をセクトールの薬害にあった雪乃親子に寄贈し、弁当屋で働きながら娘を育てていました。
藤野涼子がお嬢様からたくましい母親になる変貌ぶりを巧みに演じ分けていましたね。
それに比べて佐々木希は何年経ってもず~っと変わらない演技でしたが…
好並は科学研究所の清掃員になりました。
科学者になりたいと言う娘に、どうやったらなれる?と聞かれ、パパにもわからないよ…と言うのがラストでした。
純粋な科学者が濁流にのみこまれ、そうではなくなってしまった話のラストにふさわしい余韻のある言葉だったと思います。
今回の評価は…