同じ黒木華主演で同じく出版社の編集部を舞台にした「重版出来!」はよくできた秀作でした。
キャストも良かったし、土井裕泰や塚原あゆ子が演出していたから演出も良かった。
そして、何より野木亜紀子の脚本が良かったんです。
ところが、このドラマはキャストは悪くないし、チーフ演出は「リーガル・ハイ」の石川淳一ですから申し分ない…
しかし…
フジテレビ 木曜22時
「ゴシップ~#彼女が知りたい本当の○○」第1話
主演…黒木華
脚本…関えり香
演出…石川淳一
脚本が原作のないオリジナルなのに1人ではなく、3人体制というのがまず心もとない上に、チーフ脚本の関えり香は近作は私めが見なかったり、リタイアした作品ばかり、青塚美穂もそうだし、橋本夏という人はテレビドラマは初めてとか。
これはちょっとまずいなと思いながら初回を見ましたが案の定でした。
大手出版社の経理部で、社員のSNSを細かくチェックし、不正を見抜くことで恐れられる瀬古(黒木華)がヒロインなんですが、
その瀬古が手腕を買われ、役員の仁和(安藤政信)から社のお荷物であるネットニュース編集部に異動を命じられ、立て直しを図るというお話。
せっかくネットニュースサイトという今どきらしいテーマを扱っていながら、これまで使い古されたお荷物部署にしてしまったところが、まず疑問でした。
前クールの「和田家の男たち」のネットニュースの人たちとはえらい違いで、これだけネット社会なのに、紙媒体が売れない時代にネットニュースを出版社が軽んじているとは思えないんですよね。
ネットニュースの編集部には取材もせずやる気がない編集部員たちがいるんですが、紅一点の一本(石井杏奈)は別として、溝端淳平、野村周平、野間口徹と実力派を揃えていながら、キャラ立ちがそれぞれイマイチできていないのもネックです。
初回のエピソードも真実を知るまでしつこい瀬古の粘着性や、情に流されない非情さは分かるようにできていましたが、いろいろツッコミどころのある話でしたね。
いずれにせよ、脚本の弱さを、キャストの演技力と、キレのある演出で何とかカバーしている作品です。
今回の評価は…6