近年の木村拓哉の変化を私めは度々主演ドラマの記事の中で書いています。
特にそれが顕著だったのが連ドラでは「グランメゾン東京」、スペシャルドラマでは「教場」だったのですが、
キムタクが絶対的存在でまわりは引き立て役のドラマから、木村拓哉がこれまでの「キムタク」オーラを抑えて、まわりのキャストを引き立てるようにシフトチェンジしてきたのです。
このドラマも、その延長上にあるのではと推測されます。
テレビ朝日 木曜21時
「栄光への10カウント」第1話
主演…木村拓哉
脚本…福田靖
演出…河合勇人
20代の木村拓哉に「HERO」で型破りな検事、30代には「CHANGE」で若き総理大臣を演じさせた脚本の福田靖が、
今年50歳になる木村拓哉に40代最後の連ドラでどんな役を演じさせるのか、大いに興味がありました。
…で、事前情報は極力入れずに初回を見たのですが、なるほど今の木村拓哉が無理なく演じられる絶妙な役を用意したなと感心しました。
今回、木村拓哉が演じる桐沢は、かつてはボクシング高校4冠に輝いたスター選手。しかし、スポーツ推薦で入った大学で網膜剥離になりボクシングを断念。
妻(波瑠)にも先立たれ、生きる気力を失った桐沢は今はピザのデリバリーのバイトをしているさえない中年男になりはてています。
たださえないオジサンでは視聴者はがっかりするだけなので、言いがかりをつけて代金を払おうとしないふざけたヤツらを、まだ錆びていない身のこなしでこらしめるサービスはしっかりとありました。
そんな桐沢の現状を憂慮した友人の甲斐(安田顕)は母校のボクシング部の芦屋監督(柄本明)が引退してから、ボクシング部に指導者が不在のため、桐沢がコーチになるよう仕向けます。
恩師の芦屋に懇願され、渋々引き受けた桐沢でしたが、ボクシング部の現状はひどいことになっていて廃部寸前でした。
部員は指導者無しで弱いし、顧問はボクシングに無知な折原(満島ひかり)になるし、ボクシング部を目の敵にする校長(内田有紀)は廃部にしたがっているし…
なかなかな状態です。
校長の麻琴は芦屋の娘で、桐沢がボクシング部員だった時にマネージャーだったのに、なぜか嫌ってるんですね。
廃部にしたい学校側に抗いながら、ボクシング部は桐沢に指導され、どう変わっていくのか?
部員たちには若手の実力派が多数集められていますから、1人1人のエピソードをやっていくのではと推測されます。
そんな部員たちとの交流で、やさぐれていた桐沢もまた変わっていくんでしょうね。
木村拓哉と若手俳優たちとの演技バトルを楽しみたいと思います。
今回の評価は…8