NHKならではのエッジのきいた政治諷刺ドラマ…「17才の帝国」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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NHKでなければ作れないタイプのドラマで、こういう作品を作ってくれてこそ、受信料をちゃんと支払っているこちらも払い甲斐があるというものです。




春ドラマは謎解きやら恋愛ものやらばかりとお嘆きの方には、全く異色なジャンルで刺激的な作品です。




NHK  土曜22時

「17才の帝国」第1話


主演…神尾楓珠

脚本…吉田玲子

演出…西村武五郎




私とあまり年齢が変わらない世代の方は、NHKで少年ドラマシリーズというのがあったのを覚えておられるでしょう。




少年少女が主人公の不思議なSFドラマが中心で人気を博しました。




このドラマは少年ドラマシリーズを彷彿とさせる近未来の地方都市を舞台にしたSF的な作品です。




202X年の日本は超高齢社会で、鷲田総理(柄本明)はじめ内閣は高齢者だらけ、経済は没落し、大胆な改革が急務な状況。




未来の行政のあり方を実験するためにある地方都市でプロジェクトが展開されることになります。




AIが選び出した内閣は、なんと総理は17才の少年、真木(神尾楓珠)。3人の閣僚もみな20代前半。総理に命じられ、官房副長官の平(星野源)がそのお目付役として加わります。




元市長(田中泯)や市議会議員(岩松了)ら土地の有力者はもちろん快く思っていません。




しかし、若さの特権とも言える真木の旧態依然の政治を真っ向から否定し、理想に向かい突っ走ろうとする姿は、小気味よくもあり、危うさも感じさせます。




まず目指すのは行政をガラス張りにすること。閣議は生配信され、市民にAIが発信するデータを見たり、アンケートに答えられるデバイスが配られているので、




市民の反応やアンケート調査もすぐその場でわかるというスピーディーさです。




存在意義のない市議会は廃止すると打ち出すと、市民の支持を即座に得られていきます。




よくマスクしないとか不祥事を起こしたとかで市議会がニュースになったりしますが、そもそもこんな議会って必要か?と私めも思っていたので風刺がきいているなとニヤニヤしました。




市民や国民から選ばれていながら、議員は自分の保身や出世ばかり、民の声を吸い上げて改革めざすなんて議員は何人いるのやら…




そんな政治への失望や不満をこのドラマはビシビシ刺激してくれそうです。




しかし、大衆から熱烈な支持をうけた真木は独裁者になっていくのでは?とか、AIに人間が支配されることになってしまうのでは?とか、

先々の展開が気になります。




真木役の神尾楓珠は「顔だけ先生」とも「ナンバMG5」とも違う役柄ですが、クールな目力がここでも武器になっています。




今回の評価は…8