このドラマの情報を知った時に、公正取引委員会を題材にすると分かり、今までなかったから面白いかも?と期待しましたが、
初回を見て、なるほど、なぜ今まで公正取引委員会を扱うドラマが無かったのか、分かる気がしました。
フジテレビ 月曜21時
「競争の番人」第1話
主演…杏、坂口健太郎
脚本…丑尾健太郎、神田優、穴吹一朗
演出…相沢秀幸
このドラマは春ドラマのこの枠の「元彼の遺言状」と同じ新川帆立の小説が原作です。それだけで不安要素ですが…
「元彼の遺言状」は同じ主人公の短篇集「剣持麗子のワンナイト推理」も原作にしていたのに、こちらは単行本の表題作だけが原作です。
…なので、第2話か3話くらいまでは原作はありますが、そこから先は脚本家のオリジナルになります。
脚本には4人が名を連ねていて、第1話から既に3人がかりで書いたようで、そんな体制で秀作になるとはとても思えません。
チーフらしき丑尾健太郎はTBS日曜劇場で「下町ロケット」や「半沢直樹」を書いた1人でしたが、
あの痛快さをこのドラマに求めてもな~と初回早々に思いました。
まず、初回を見て失望したのは、あまりに公正取引委員会の立場が弱いということでした。
財務省や経産省にはバカにされ、警察から疎んじられているようで、立入検査に入っても邪魔にされたり、拒否されたり…で、公正取引委員会ってこんなに弱いのかとそれが初回の一番の印象でした。
主人公の楓(杏)は犯人を逃したからと、警視庁捜査一課から公正取引委員会に飛ばされます。
これはドラマオリジナルで、原作は元から公正取引委員会のノンキャリ審査官だけど、調査対象に自殺され第六に回されるとなっているようです。
刑事が公正取引委員会に飛ばされるとかあるのか?と不思議だったので原作のままでも良かったのではと思いました。
もう一人の主人公は小勝負(坂口健太郎)という東大卒のキャリア審査官。
ちょっと型破りっぽいんですが、クセの強さが中途半端で、楓とのバディの対比もあまりきいていません。
やけに弱腰なキャップの風見(大倉孝二)、逆にやけに強気な先輩の桃園(小池栄子)、富豪のお坊ちゃまらしい六角(加藤清史郎)、第六を立ち上げた審査長の本庄(寺島しのぶ)と
周りは与えられたキャラクターをきっちり実力派たちが演じていて群像劇としてもしっかりしてはいそうなんですが、
いかんせん、初回を見る限りは、…で、公正取引委員会って何をする部署なの?という疑問に答えているようで、納得できるところまでは行ってませんでした。
敵役の山本耕史がふてぶてしくて、倒されたらさぞ痛快だろうという演技をしているので、次回の続きに一応期待します。
今回の評価は…6