夏ドラマアカデミー賞、続いては最優秀主演男優賞です。
夏ドラマでは主演男優は10人いましたが、大混戦の中で半分の5人をノミネートしました。
草川拓弥
「みなと商事コインランドリー」
これまで「家売るオンナ」でやる気のない新入社員、「同期のサクラ」でサクラの隣人のクズな夫、「チェリまほ」の六角などで気になっていた人ではありましたが、
初主演ながら、今回は大健闘でしたね。
男子高校生からグイグイ来られて戸惑うゲイ青年というデリケートな役を、愛すべきキャラとして演じきりました。
今後の飛躍が期待されます。
中島裕翔
「純愛ディソナンス」
これまで爽やか好青年役の多かった人ですが、このドラマでダークやクールな面も演じて、新境地を開きましたね。
いつか冷酷な殺人鬼役とかにも挑戦してもらいたいなと思いました。
中村倫也
「石子と羽男~そんなコトで訴えます?~」
長らく脇役を演じてきた人だけに、シリアスからコミカルまで幅広く器用に演じられる技量が培われています。
それが良い形でのびのびと発揮できたのがこの役だったと思います。
重岡大毅
「雪女と蟹を食う」
自殺しようとしても死にきれず、押し入った家の奥さんと死の旅に出ることになる主人公、
死にとりつかれ生きる気力のない男が、生きようという力を取り戻していくプロセスを小細工なしのまっすぐな演技で熱演しました。
性的なシーンも不思議といやらしくなく見えるのは、この人の誠実さ、純朴さから来ていて、それは貴重だと思いました。
林遣都
「初恋の悪魔」
仲野太賀とW主演でしたが、終わってみれば、このドラマは林遣都演じる鹿浜の成長物語なのだと思わされました。
林遣都はクセの強い役の方が威力を発揮する人で、この役は主演ながらも怪演に近いエキセントリックな演技を見せ、
それだけでなく、老婦人との交流や、星砂との恋ではナイーブな一面を見せるなど多面的に鹿浜という変人を演じて若手実力派4人の中でも圧倒的でした。
以上、5人の中で最優秀主演男優賞に選んだのは…
林遣都
「初恋の悪魔」
中村倫也とどちらにするか、かなり悩みました。
ごく僅差で林遣都にしました。
なかなか共感しにくい鹿浜を愛すべきキャラに昇華した演技は、かなり高度なテクニックで、難しい役を演じきった林遣都の力量に改めて感服しました。