いや〜、今回もまた泣かされてしまいました。
脚本がよくできてますね~。
その回のクライマックスの泣きにむけて、今回も実に巧妙かつ丁寧に構築されていました。
フジテレビ 木曜22時
「silent」第3話
主演…川口春奈
脚本…生方美久
演出…高野舞
初回は紬(川口春奈)、前回は想(目黒蓮)、そして今回は湊斗(鈴鹿央士)の語りで始まりました。
仕組みは前回と同じで、前回は想が耳が聴こえなくなるまでや、なぜ姿を消したかを描いた上で、紬と再会後の想に戻ったように、
今回は、想と紬が会っているのを見かけた湊斗が、過去にどう2人と接して、紬とはどのように恋人になったかを描いた上で、今の湊斗に戻ったのです。
それを描いたことで、湊斗にとって紬と想が付きあうのは、すごく仲の良い友だちとすごく好きな人なので、すごく切なくて、ちょっと嬉しいことだったとわかります。
紬への愛情の強さと同じくらい、想に強い友情をいだいていた湊斗は、勝手に想が何も言わずにいなくなってしまったから、
紬の良き相談相手になり、良き恋人にもなったんですね。
想は耳が聴こえなくなったと知ったら、紬に手話教室に通うように湊斗が薦めたのは不可解でしたが、だからなのかと今回で分かった気がします。
耳が聴こえなくなった想と初めて会ったのに、気をきかせて想は立ち去ってしまい、その想の背中に湊斗は呼びかけます。
そのあと、携帯に電話もかけてきます。想のろうあ者仲間の奈々(夏帆)は嫌がらせと言いますが、湊斗は親友の想が耳が聴こえないのを受け入れられないのでした。
紬の家に訪ねてきた想を、湊斗が中に入れて紬の帰りを待つシーン。
湊斗は20歳になったら一緒に飲もうと言っていたビールを渡し、また背後から想に呼びかけます。
なぜかと不思議なのですが、高校の頃、よく湊斗は背後から、想の名を呼びかけていたんですね。
その回想の映像で私めの涙腺はやられました。
なぜ、何も言ってくれなかったのかと、涙ながらに湊斗は想を責めます。
紬が帰ってくると飛び出してしまう湊斗。
追いかけてきた紬に
「取られるんじゃないかって気にしてイライラしてる方が楽だったから」
「想のこと悪く思えば楽だったから」
「友だちの病気を受け入れるよりずっと楽だったから」
「名前呼んで振り返ってほしかっただけなのに…」
なんて心やさしき青年なのか。
湊斗の想を思う気持ちの切なさに泣けました。
鈴鹿央士のピュアさが湊斗と合致してますね。
湊斗を気づかいフォローする紬の弟の光(板垣李光人)も、想を気づかい自腹で上京してくる妹の萌(桜田ひより)もみんな良い子ですね。
湊斗のことを気にして会うのをやめようと伝える想に、紬が自分はもう想を好きじゃないと告げるシーン。
アプリでの筆談なのですが、想が自分は佐倉くんなのに、湊斗は下の名前なのだとショックを受けるのは、
前回、耳が聴こえなくなる前に会った最後の時に、下の名前を呼んでもらったのを思い起こさせ、そんなところも丁寧に構築された脚本です。
今回の評価は…9
ここまで3回をまとめてここで9を出しておきます。