今回は、このドラマが始まって初めて、直哉(山田裕貴)が主人公なんだというのが明確に打ち出されましたね。
山田裕貴っていい役者になったな~って嬉しくなる熱のこもった名演技を見せてくれました。
TBS 金曜22時
「ペンディングトレイン~8時23分、明日君と~」第3話
主演…山田裕貴
脚本…金子ありさ
演出…岡本伸吾
タイムリープした車両の乗客たち。想像の域をこえた状況を受け止めきれず、ただ静観している人が多いわけです。
日本人って欧米人に比べて個の主張が弱いので、とかく周りに同調だけして、誰かがやってくれたらそれに従うみたいなところがありますね。
で、理想家の優斗(赤楚衛二)は正攻法で、消防士という職業柄、その正義感からリーダー的な立場を取り、みんなに指図したり、自発的に動きます。
しかし、現実主義な直哉は、それにまぜ返したり、皮肉ったり、クールな立場で傍観しています。
そんな直哉が今回は人に頼ってばかりの人たちに、もっと動け!もっと働け!と喝を入れます。
それは直哉が、せっかく親代わりで面倒をみてきた弟(池田優斗)が、ワルい連中と付き合うようになり犯罪をおかしてしまうのですが、その弟に言いたかった言葉でもあるわけです。
直哉の喝がきいて、乗客たちはそれぞれ自分が得意とすることで協力を始め、水を確保したり、食事ができたり、良い方向にまとまり始めました。
優斗は直哉の弟への思いに触れますが、直哉は綺麗ごとで分かったような顔をするなと怒ります。
しかし、優斗が弟のことで自分を責めるな…と痛いところをつくと、直哉は素直に弟を気遣い、会いたいと涙するのでした。
複雑な直哉の感情表現を山田裕貴を巧みに演じて、今回は泣かされましたね。
主演するようになり、山田裕貴は飛躍的に演技力に磨きがかかっています。
絶望的な状況に頑張る理由が見出だせずに落ち込んで、何も食べない寺崎(松雪泰子)を、
立花(大西礼芳)や加藤(井之脇海)が自らの不幸話で励まし、高齢の丸山が心臓病を克服し生きていられるからと諭すシーンも良かったです。
大人を嫌っていた高校生(日向亘)も、直哉に褒められたら嬉しそうでしたね。
直哉には弟のように思える存在になっていくのかもしれません。
消えた車両には連続殺傷事件の犯人らしき男が乗っていたようで、加藤を刺して逃げたのはその男なんでしょうか?
今回の評価は…8