私めは白石加代子さんは好きな女優さんなので、今回ゲスト出演してくれたのは嬉しかったんですが、
白石さんが演じたオーディオルーム常連の富子と響(芦田愛菜)のエピソードは余計でしたね。
晴見フィルのラストコンサートになるかもしれない梅まつりの日のホール演奏にまつわる倉科(新木優子)と近藤(津田寛治)のエピソードだけでも十分でした。
TBS 日曜21時
「さよならマエストロ~父と私のアパッッシオナート~」第6話
主演…西島秀俊
脚本…大島里美
演出…坪井敏雄
このところ、古谷(玉山鉄二)と志帆(石田ゆり子)、俊平(西島秀俊)と倉科の不倫疑惑やら、響がなぜバイオリンをやめたかやら、
本来描くべきオーケストラの活動から離れがちな内容が多かったので、やっと戻ってくれて正直ホッとしました。
市長の嫌がらせで活動終了を早められそうな晴見フィルは、市のイベントの梅まつりに便乗し、団体名をごまかしてホールを借りてゲリラ演奏することにしました。
恐らくこれがラストコンサートになるのでは?ってことで練習にも熱が入ります。
演奏するのはビゼーの「カルメン」
…で、カルメンのようにいろんな男性と浮き名を流してきた倉科ですが、実は両親が離婚していて、
コンサートの時は別れた父も見に来てくれるので、それを励みに演奏を続けてきたことがわかりました。
新木優子はいろんな表情を豊かに演じる人ですが、倉科の持つ負の感情、憂いがのぞけました。
感動的だったのは、妻も娘もコンサートに見に来てくれないコンサートマスターの近藤のエピソードでした。
実は、近藤は学生の頃は指揮者になりたいと思っていたようで、憧れは捨てきれず家でよく指揮者の真似事をしているようです。
コンサート前の準備の時に近藤1人だったので指揮者の台にちょっと乗ってみるところを俊平に見られてしまいます。
俊平に会って、自分なんか指揮者などとてもできないと痛感したそうです。
そして。コンサート当日。
最初は空席もありましたが、倉科の美しいフルートの音色に誘われるように、イベント客もホールに続々と入ってきました。
やがてカルメンおなじみの楽章に。
俊平は指揮したい人を客席から募り、次々と指揮させていきました。
市民に愛された楽団ならではの趣向でしたが、演奏の続きを俊平は近藤に指揮を譲ります。
40年間、第1回の演奏会からずっと所属してきた近藤に最後に夢を叶えさせたかったのでした。
指揮棒を渡す時に俊平は指揮者に必要なのはアパッッシオナート、すなわち情熱だと伝えます。
近藤は無我夢中で激しく指揮棒を振りました。熱い思いをこめて。
これで妻子が見に来てたらベタでイヤだなと思いましたが来ませんでした。
…ということはまだ演奏会があるんでしょうね。
俊平はドイツにまた戻りそうですから、別れの演奏会があるんでしょう。
今回の評価は…8