冬ドラマアカデミー賞、演技賞の最後は最優秀主演男優賞です。
こちらは5人ノミネートしました。
木梨憲武
「春になったら」
放送当初はやけに大声だなとか、久々の連ドラ主演の木梨に不安な部分もありましたが、
回を重ねて余命わずかなのにポジティブに生ききろうとする主人公のナイーブな面も垣間見えるようになり、味わい深い名演でした。
ふと見せる悲しい笑顔が印象的でしたね。
山下智久
「正直不動産2」
もうこれは山下智久の代表作の1つにあげていいでしょうね。
前作より更に人間的な幅が演者自身にもできたからか、コミカルな演技もより自然になりましたし、後輩たちとの接し方にも懐の深さが増しました。
今作はディーン・フジオカ演じる神木という対極にある強烈なキャラがいたために永瀬の熱い正直さがより際立ちましたね。続編が楽しみです。
阿部サダヲ
「不適切にもほどがある!」
バリバリ昭和な鬼教師が、令和にタイムスリップして順応したり、違和感をあらわにしたりするさまを柔軟性ある演技でパワフルに演じきりました。
阿部サダヲの良さを熟知している宮藤官九郎の脚本ですから余すなくその魅力を発揮し尽くしてくれた感があります。
田辺誠一
「ハコビヤ」
深夜ドラマの掘り出し物の作品でしたが、これこそ田辺誠一が主演だったからこそのドラマでした。
元は記者だったレストランの主が、いろんなワケありの人や物を依頼通りに運ぶのですが、知的な推理力と根は温かい人情味とが絶妙なバランスでした。
西島秀俊
「さよならマエストロ」
こちらも西島秀俊が主演だからこその作品でしたね。指揮者としては有能でも家族に対してはポンコツなアンバランスさや、楽団の人々に音楽の楽しさを伝えるまっすぐなおおらかさ、
それらが愛すべきマエストロを魅力的に見せ、引き込まれました。
変にテクニカルに演じようとしないこの人の良さが、年齢を重ねて更に味わい深くなった気がします。
以上5人の中で最優秀主演男優賞に選んだのは…
阿部サダヲ
「不適切にもほどがある!」
もうこれは文句無しでしょう。
脚本家と主演俳優の長年にわたる親密な絆が作り上げた傑作に他なりませんからね。ただただ拍手をおくりたいです。