このところ主人公のミヤビ(杉咲花)の存在感が薄まりかねない展開が続いていたこのドラマですが、
今回は初期設定のおさらいも含めて、しっかりとミヤビが描かれたのが何よりでした。
フジテレビ 月曜22時
「アンメット~ある脳外科医の日記~」第5話
主演…杉咲花
脚本…篠﨑絵里子
演出…Yuki Saito
今回の患者は読経中に倒れた住職の成海(三宅弘城)
診断はもやもや病で、治療後も脳梗塞や脳出血の可能性もある厄介な病気。
昔、徳永英明がなった病気ですね。
手術は細い脳血管を扱う難易度の高いものですが、三瓶(若葉竜也)はあえて執刀医にミヤビを指名します。
自分にはできないとひるむミヤビですが、できるからと三瓶は強く背中を押します。
三瓶も付き合って手術の練習を始めるミヤビ。
今回、良かったのはミヤビが手術の前夜、看護師の森(山谷花純)に頼み、ミヤビと一緒に泊まってもらい、記憶を失くして起床したミヤビに説明してあげるシーンでした。
とかく薄れ勝ちになっていたミヤビの記憶障害のこと、日記に書いたことを毎朝読んで覚え直していることを改めてはっきりと印象づけたんですね。
手術に集中するために、日記のすべてを読まずに、前段と手術の説明だけをまず読むように伝えたあと、森はこう言います。
「記憶障害になったミヤビはこれまで沢山悩んで、沢山考えて、つらい思いも沢山したけど、今は脳外科医としてちゃんと働いてる。一生懸命患者さんを助けてる。今はそれだけを考えれば良いんだよ」
今更ながら、丁寧にこう前ふりして、周りのサポートもあって、無事に手術を成功させるのが感動的になりました。
手術が終わったあとに、自分以外の手術のスタッフ1人1人の顔をカットバックしていくシーンも良かったです。
この喜びを覚えておきたくても忘れてしまうミヤビは、日記にその絵を書き残しました。
Yuki Saitoの演出はこの手術シーンにしろ、津幡(吉瀬美智子)との回想をホワイトバックで見せたりと映像的に印象づける演出が独特ですね。
津幡に言われたことを日記に書いてあって、
「あなたが私に教えてくれたんですよ。私たちは1人じゃない。だから、自分だけで完璧である必要はないんです」
これも良い言葉でした。
ミヤビを取り巻く仲間は良いんですが、大迫(井浦新)はどんどん怪しくなっています。
ミヤビの記憶障害は治らないと断言してましたが、処方している薬はかえって記憶障害を維持させるものなんでしょうか?
今回の評価は…8