狩山(木村拓哉)はゼネコンの社員としては名うての人たらしだったわけですが、建築物の構造に精通しているという強みに加えて、
第5話と第6話ではこの人たらしっぷりが発揮されて、相手の気持ちを変えていくさまが描かれました。
木村拓哉自身にも備わる人をたらす説得力や熱い弁舌、男気みたいなものが、うまく活かされています。
テレビ朝日 木曜21時
「Believe~君にかける橋~」第5、6話
主演…木村拓哉
脚本…井上由美子
演出…樹下直美(5)、常廣丈太(6)
逃亡中の狩山は半田(田中哲司)に車に乗せられ、家に連れて行かれます。
半田は黒木(竹内涼真)が担当する女子大生殺人事件の被害者の父親で、
静岡で工務店を営んでおり、以前橋の仕事で狩山の会社から受注したこともあり、顔見知りでした。
半田は狩山が逃亡犯と知りながら匿ってくれました。狩山の仕事振りを知る半田は狩山があんな事件を起こすわけはないと肩を持ちます。
恩義を感じて、狩山は建築中の現場を手伝いもします。半田は従業員たちにも慕われている実直な人柄ですが、
まだ捕まっていない犯人を許さず復讐するつもりのようで娘もそれを案じていました。
狩山は半田に復讐なんて考えてはいけないとなだめますが、半田は聞き入れず、狩山をつかまえて連れてきたのも、復讐したらその罪を狩山にかぶせるつもりだったとさえ言います。
木村拓哉と天海祐希の2人きりのシーンが見ごたえありと以前書きましたが、木村拓哉と田中哲司の虚々実々のやりとりも見ごたえがありました。
そんな半田の家に狩山がいると突き止めた黒木が半田の家にやってきます。
半田は必死に狩山をかくまいますが、狩山は姿を現して、自分が半田を脅して逃げ込んだのだと主張、黒木に半田の娘を殺した犯人を捕まえるために半田の話も聞いてと懇願します。
身を呈して逮捕され、狩山は半田の復讐を阻止しようとしたのです。
連行されていく車に駆け寄って、狩山に詫び、狩山が無実を晴らすことを信じると伝える半田はちょっと感動的でした。
第6話は遂に狩山を確保し、直接向き合うことになった狩山と黒木の2人きりのシーンがこちらも見ごたえがありました。
竹内涼真にしてみれば、木村拓哉の胸を借りて、全力でぶつかるという感じで、このドラマの竹内涼真は成長を感じる演技を見せているだけに、
狩山を犯人として憎んでいた黒木が、黒木の兄(竹内涼真 2役)がつながっていた事故の黒幕は誰かを知るための同志になっていく過程をしっかり演じました。
竹内涼真はいつの間に、こんなに腕を上げたんでしたかね。
黒木の皮肉な感情表現にその進化ぶりを特に感じさせます。
こうなると、誰が事故を起こさせたのか?それは何のため?
林(上川隆也)に狩山を逃げさせた都知事(賀来千香子)の思惑が気になります。
第5話、第6話ともに評価は…7