続いては春ドラマアカデミー賞最優秀助演男優賞です。
こちらは6人をノミネートしました。
眞栄田郷敦
「366日」
このドラマを最終回まで見続けたのは眞栄田郷敦演じる遥斗が最終的にどうなるかを見届けたいがためでした。
明るく快活だった遥斗が不慮の事故で記憶を失い、そこから元の状態へと戻っていくさまをデリケートに演じ、役者として抑えた演技もできるようになった進化を感じさせました。
まだまだ伸びしろを感じさせる人で次回作が楽しみです。
若葉竜也
「アンメット~ある脳外科医の日記~」
あまり連ドラには出ない人ですが、今回は朝ドラ「おちょやん」で共演した杉咲花がたっての希望で直に出演依頼し、実現したそうです。
クールな中に熱い思いを秘めた感じには奥行きがあり、ミステリアスな人物になっていました。
まるでドキュメンタリーのようなミヤビ(杉咲花)との長回しの会話シーンは強く印象に残る名シーンでした。
稲垣吾郎
「燕は戻ってこない」
母親の言いなりで代理出産でもいいから自分の遺伝子を残すことに執着する基の
身勝手な言動を前半は黒木瞳と怪演。
このドラマは基が妻の悠子に反発されたり、代理母のリキに逆らわれたりして、考えを改めていく話でもあり、その変化も丁寧に演じていました。
竹内涼真
「Believe~君にかける橋~」
事故で死んでしまう弟と、その死の真実に迫る刑事の兄と二役を演じました。
特筆すべきは兄の刑事の方でサングラスに黒ずくめの服装という異色の外見もさることながら、人を食ったようなとぼけた言動で飄々としながら時に鋭さをちらつかせるというユニークな刑事でした。
直球勝負の熱演型だった竹内涼真が、こんな柔軟な演技もできるようになったかと感心させられました。
仲野太賀
「季節のない街」
明るく闊達なキャラながら、家庭では母親がクズな兄の言いなりで、家族に苦しめられるさまをリアルに演じて、このエピソードは出色でした。
やり場のない怒りや悲しみ、そんな複雑な感情を爆発させるあたりが、この人ならではでした。
野村萬斎
「アンチヒーロー」
検察の中でのしあがるためには手段を選ばずに来た怪物的な伊達原を、芝居がかったアクの強い演技で見せ、憎々しい強敵を倒すというカタルシスを大いに盛り上げる敵役ぶりでした。
千変万化に歪める表情や高低強弱が自由自在のセリフ術、舞台で鍛えた演技手法を駆使した演技を堪能しました。
以上、6名の中から最優秀助演男優賞に選んだのは…
野村萬斎
「アンチヒーロー」
ま~貫禄勝ちでしたね。
このドラマが尻上がりに面白くなっていったのは伊達原がどんどん邪悪な本性を明らかにしていったからで、その功績は大きかったです。