春ドラマアカデミー賞、続いては最優秀主演男優賞です。
こちらも女優賞同様に4名をノミネートしました。
木村拓哉
「Believe~君にかける橋~」
かつてはあんなにカッコいい役ばかりをやっていた木村拓哉が、刑務所の囚人になるわ、脱走犯になるわで、
ここまでやるようになったかと感慨ひとしおでした。
天海祐希や上川隆也、田中哲司、北大路欣也、小日向文世といった手練れたちと1対1のシーンがかなりあって、そこは見ごたえがありましたね。
池松壮亮
「季節のない季節」
個性の強い実力派たちが、ここぞとばかりクセの強い演技をする中で、フラットな演技で主役然としているのは生易しいことではありません。
それをすんなりとできてしまうところに池松壮亮の凄みがあります。
改めてまたそれを知ることになりました。
吉田鋼太郎
「おいハンサム!!2」
この役は「おっさんずラブ」の黒澤と並んで連ドラにおける吉田鋼太郎の当り役ですね。
演劇的な過剰演技の黒澤と違って、こちらは抑えめですが、熟年者ならではの立ち居振舞いや示唆に富んだ名言を発し、娘たちや部下たちも耳を傾けるというのが毎回お見事でした。
長谷川博己
「アンチヒーロー」
当初は実際の犯人も無罪にしてしまうダーティーで謎めいた弁護士に見せて、だんだんとその真意がわかっていき、共感できるキャラへと昇華させていく。
そのプロセスをこの人らしくきっちりと演じきりました。
法廷での弁舌も流石は蜷川幸雄も重用しただけに、聞きごたえがありました。
以上4人の中で最優秀主演男優賞に選んだのは…
長谷川博己
「アンチヒーロー」
虚々実々の駆け引きをして、人々をたぶらかしていく明墨は、キツネ目の長谷川博己だとまさに常人ならざる感じがして、つかみどころのない超然としたたたたずまいがハマっていましたね。
「デート」の巧に並ぶハマり役だったと思います。