それぞれの罪悪感…「海のはじまり」第2話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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このドラマは何度も見返したくなるドラマですね。

1話見終えるとそれを踏まえてまた見返したくなるし、前回を見直したくもなるんです。




脚本の時点で非常に細やかな目配りがされていて、それを活かした演出が施され、キャストもセリフの奥のニュアンスまで理解した上で高度な演技で繊細に演じている…

それが更によく分かる第2話でした。




フジテレビ  月曜21時

「海のはじまり」第2話


主演…目黒蓮

脚本…生方美久

演出…風間太樹





今回、夏(目黒蓮)が弥生(有村架純)に、夏は水季(古川琴音)は中絶すると思っていたが、自分には隠して実は海を産んでいたことを明かすと、弥生はこう言います。



「いいよ、変な気つかわなくて…」

「良かったよ、ずっと罪悪感抱えてるより…」



この「罪悪感」というワードに私めはグサっと来ました。




今回のサブタイトルは「あふれだす…ふたをしていた想い」でしたが、ラストまで見終えてその想いとはそれぞれの罪悪感から生みだされたものなのではと感じたのです。




まず、夏ですが夏の罪悪感は明確で、弥生に告白した通り、水季に押しきられるままに中絶の同意書にサインをしてしまい、



心のどこかでお腹の子を殺してしまうことに自分も加担したことに罪悪感を感じていたわけです。




しかし、水季は中絶せず海を産んでいたので夏としてはホッとしたし、水季が遺した海を自分が何とかしなきゃって気にもなり始めているのです。





ところが、夏は罪悪感を抱えずにすむことになったのに、その夏の言葉か実は弥生の心をズタズタに傷つけていました。




弥生はかつて中絶した過去があるんです。中絶しか選択肢はなかったような状態だったようで、しかも皮肉なことにそれは水季が海を産んだのと同じくらいの頃だったようです。




弥生が水季の母親(大竹しのぶ)に何か言われたのか?と聞き、この7年の水季のことを想像してくれと言われたと答えた時に、弥生は明らかに顔色が変わりました。




初見の時は水季という名前を初めて夏が口にしたので反応したのかと思いましたが、見直してみて7年という方に反応したのではと思い当たりました。




弥生がまさにふたをしていた想いが、水季は中絶せずに産んだ話を聞き、罪悪感があふれ出たのでしょう。




夏にはトイレに行くと言い、トイレの中ではらはらと涙を流していました。




今回は弥生の置かれた複雑な状況、そのシチュエーションごとの弥生の建前と本音が錯綜するさまを有村架純が実に細やかに演じて、




やはり有村架純はスゴいな!と改めて思い知らされました。




罪悪感に突き動かされたように弥生は、夏が海の父親になるなら、自分も母親になってもいいと…夏に告げました。




いいのか?弥生。とその早すぎる選択に先行きの不安しか感じられませんでした。




ここからは憶測ですが、朱音も水季の遺影に水をかけてしまって、拭きながら「ごめんね、ごめんね…」としきりに謝るという印象的なシーンがありました。




涙ながらに遺影の娘に謝る朱音を見て、水季と朱音の間にも、何か朱音が罪悪感にさいなまれていることがあったんでしょうね。





生前は水季と海の2人暮らしだったというところにも親子間の亀裂を感じさせます。




そのあたりもこれから明らかになっていくんでしょう。




夏をパパとして慕う海に戸惑いながらも、その気持ちは尊重してあげなければと思い始めている朱音の変化を今回も大竹しのぶは抑えた演技の中で含みを持たせながら演じていました。




もう1つこれも憶測ですが、今回の冒頭のシーンで水季と海の会話で、夏に会いたいかを聞く水季に、海は「ママの好きでいいよ」と答え、「ホントそっくり」と水季が海が夏と似てきていることを強く感じていました。




この会話をまた見返した時に、もしかしたら父親不在で海を育ててきたことに、水季は罪悪感を持ち始めていたのかも?とチラッと思いました。




だから海を連れて夏の住む場所まで来たことがあったのかもしれません。そのあたりもこれから明らかになるでしょう。




そして。こちらも明らかになっていませんが水季が亡くなったことで様子がおかしくなっている津野(池松壮亮)と水季の関係性も気になるところです。




津野は海のパパになろうとしていたのかもしれませんね。




冒頭の水季と海の会話で、水季が「パパが2人いる人もいるの。いていいの」と言っていたのにも引っ掛かりました。なぜそんなことを言ったのかと…




このドラマに関してはいろいろ書きたいことがあって困ってしまうんですが、これだけは最後に書いておきます。




脚本の生方美久は「silent」の時も小道具の扱いが上手いなと感心しましたが、今回の「鳩サブレー」のからませ方と言ったら!絶妙でしたね。



海が夏に持って行こうとしたり、仏前に供えるために夏が持ってきたり…からの回想シーンでの大学の講義中に食べるシーン。



ここでグっと来ましたね。いや~鳩サブレーでこんなに心を動かされるとは…




長くなりました。

このドラマの記事は毎回長くなりそうです。ご容赦を。




第2話の評価は…8