水季はなぜ母親になり、どう母親として生きたか…「海のはじまり」第6話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回は夏休みで海(泉谷星奈)と暮らすことになった夏(目黒蓮)が、水季(古川琴音)が暮らした部屋や、海の通う小学校、職場の図書館を回りながら、




大家さん(岩松了)や担任教師(山谷花純)、同僚の津野(池松壮亮)から母親としての水季について話を聞いていくという展開でした。





夏と一緒に視聴者も水季の実像が明確になっていく巧みな構成でもありました。



フジテレビ  月曜21時

「海のはじまり」第6話


主演…目黒蓮

脚本…生方美久

演出…高野舞




冒頭とエンドは水季と朱音(大竹しのぶ)の子育ての向き不向きの話でした。




人に合わせず自由奔放に生きてきた水季は向いてなかったんでしょうね。

でも、母親になった以上、ちゃんと母親しなきゃと頑張ったようです。





大家さんは家賃はちゃんと払うし、ゴミ捨てもしっかりしていたと言います。




夏はそんなタイプじゃなかったから意外と言うと、だったらより大変だったでしょうね、そういう人が頑張ってそうしてたんでしょうから…と。




そんな水季を、この大家さんは温かく見守ってくれてたんでしょうね。




続いて行った小学校では担任の先生が、亡くなる2週間前まで、水季は海と住んでいたけど、流石にもう無理だろうと朱音が実家に連れ帰った。




そしたら体調を崩してほどなく亡くなったので朱音は、その後強く悔いたようです。以前朱音が水季の遺影に涙ながらに謝っていたのはこのことだったんですね。




また、前回水季が実家で海と一緒に寝ないようにしていたシーンがありましたが、あれは死期が迫ってることを感じた水季が、母親としてしてあげられる最後のことだったのかと思い返されました。




翌日は海と図書館へ。休館日でしたが海が津野に電話をし開けてもらいました。




ここで津野と夏は初めてじっくり語り合うことになるのですが、水季はいつから図書館で働き出したのかを聞きます。





津野いわく、水季は妊娠中から勉強をして司書補の資格を取り、海の生後3か月から働き始め、それから司書の資格も取ったようです。

女手一つで育てていくための覚悟と努力がうかがえました。




そして、水季の両親には聞きづらい病気のことも聞きます。子育てと仕事で時間の余裕がなく健康診断など受けてなかったので、病気がわかった時にはもう手遅れだったようです。




闘病の様子を聞こうとすると、津野は思い出したくないと拒みます。

このやりとりでの池松壮亮の演技がスゴかったですね。




語らなくても水季が苦しむさまが目に浮かぶようでした。思い出したくないと言いながら目に浮かんでしまい涙目になる津野のツラさがよく伝わりました。




珍しく夏はイヤです。聞きたいです。と食い下がるのですが、津野は夏より自分の方が水季の死が悲しいという自信がある…と告げるのです。




大竹しのぶ演じる朱音もそうですが、演じる人によってはとてもイヤな感じを与えかねない役ですが、池松壮亮が演じるとそこに水季と海を支えてきたのに、今では部外者にされてしまった津野の無念さや孤独感がにじみ出て、そう言わずにはいられない気持ちが伝わるんですね。





水季についていろいろわかった夏ですが、なぜ水季が中絶をやめて産むことしたかは、朱音から聞いた急に産む気になったからとしか分かりません。





そこで誰かの証言や回想とかではなく、視聴者にだけ真実が明かされます。




中絶しようとクリニックに来た水季は待合室で来院した女性たちがメッセージを書き残したノートを読みます。




その中に中絶をしたあとに弥生(有村架純)が書いたメッセージがありました。

同じ立場の女性たちに向けて弥生はこう書いていました。




「他人に優しくなりすぎず、ものわかりのいい人間を演じず、ちょっとズルをしてでも、自分で決めてください。どちらを選択をしてもそれはあなたの幸せのためです。あなたの幸せを願います」





他人に影響されることのない水季はこのメッセージに心を動かされ、読んだら産む気になりそうな朱音が書いた母子手帳を読むことにしました。




これを書いた人に伝えてください…という水季のセリフから、その言葉は聞けずに現在の弥生が海の髪を編んでいるカットにつながりました。




私めはこのつながりに鳥肌が立ちました。弥生が願った幸せを水季は受け継いで海を産み、育て、それが弥生に継がれようとしている。

なんと感動的なつながりなのか…





ラストでは水季はそのことを朱音には告げずに、やっぱり産もうと思っただけとはぐらかしたことも示されました。





古川琴音のさまざまに含みを持たせた演技も素晴らしいですね。





あと、印象的だったのは夏と朱音の会話で、夏は自分の性格の短所を朱音に語るんですが、それが子育てには向いてると言われます。

人に合わせられるのは良いことよ。

夏の人柄が改めて明確に示されたシーンでした。




第6話の評価は…9

私めは鳥肌が立つほど感動すると9にしております。