映画館で「タイタニック」を、日曜劇場で「JIN-仁」の初回を見た時のようなワクワク感がありました。
こういう現代から過去へさかのぼる作品が私めのツボなのかもしれません。
TBS 日曜21時
「海に眠るダイヤモンド」第1話
主演…神木隆之介
脚本…野木亜紀子
演出…塚原あゆ子
今や見逃し配信をスマホでいつでも気軽に見られる時代ですが、このドラマはなるべく大画面のテレビでこそ見てほしい作品です。映画館で見たいくらいです。
現代パートはまだしも、1955年の長崎・端島(通称・軍艦島)を舞台にした過去パートは、VFXを多用した映画並みにスケールのある映像が多いからです。
「VIVANT」の時のようにTBSはえらい予算をかけて作ってるな~と、その本気度を思い知らされた初回でした。
お金ばかりかけて中身はスカスカって作品もありますが、こちらは脂ののりきった野木脚本、新井P、塚原Dのトリオが作るんですから、そこに抜かりはありません。
どこか虚無的なホストの玲央(神木隆之介)は謎の富豪、いづみ(宮本信子)と出会い、長崎に連れていかれます。
向かったのはかつて炭鉱の島として栄え、今は廃墟の無人島となっている端島でした。
船上の玲央が、端島に帰ってきた鉄平(神木隆之介、二役)に切り替わり、廃墟の島が、かつての繁栄した活気ある頃になってからの描かれ方にはいきなり引きこまれました。
日本が敗戦から立ち上がり、高度経済成長期に向け逞しく歩みだした、そんな時代設定が絶妙です。
父親(國村隼)も兄(斎藤工)も炭鉱夫をしている鉄平は大学に進学したのに、大企業には就職せず、島に戻って鉱業会社の事務職で働くことにします。
父親は激怒しますが、鉄平の意志は堅いようで、鉄平と玲央の演じ分けを神木隆之介が巧みにやっていて、「モンスター」の趣里同様に朝ドラ主演後の更なる進化を感じさせました。
島にやってきた自称歌手のリナ(池田エライザ)をめぐるカフェでリナを見下し、クビにさせた鉄鋼会社の社長(坪倉由幸)にひと泡ふかせるエピソードも、日曜劇場ならではの痛快さで良かったですね。
主演クラスがゾロゾロ出ていて、それぞれに見せ場を作るのが大変だろうなと思います。
現代のいづみは過去のどの女性なのか?という謎はリナが有力ですね。
鉄平と幼なじみの賢将(清水尋也)、百合子(土屋太鳳)、鉄平を好きらしい食堂の看板娘の朝子(杉咲花)、そしてリナたちの恋模様も気になるところです。
この先、どんな感動的な展開が待っているんでしょうか?
第1話の感想は…8
余談ですが、土屋太鳳やけに痩せましたね。ちょっと心配になりました。