ここまで科学部員となった4人の生徒を1話1人ずつフィーチャーしてきて、藤竹(窪田正孝)が顧問の科学部がいよいよ始動しました。
このドラマは全10話のようですから、次回からの後半に向けて、その前哨戦とも言える回でした。
NHK 火曜22時
「宙わたる教室」第5話
主演…窪田正孝
脚本…澤井香織
演出…一色隆司
後半に入る前に改めて、このドラマにおける主人公藤竹先生の生徒に接する態度の素晴らしさ、それを緻密に演じる窪田正孝のはまり役ぶりに触れておきたいと思います。
藤竹は生徒1人1人のことをよく見ていて、それぞれの生徒の苦悩や負の感情には踏み込まずに、
巧みに向学心や好奇心、探究心を引き出して科学の魅力に引きこんでいくのです。
こんな素敵な先生がいてくれたら、自分も科学を好きになったかもしれないと思わせてくれます。
演じる窪田正孝はたたずまいからして静かで穏やか、生徒に警戒心や反発心を一切持たせない空気感を身にまとっています。
ちょっとくぼんだ目はピュアに澄んでいて、根っから科学を愛し、科学に興味を持つ人が増えることに喜びを感じる科学バカぶりをナチュラルに演じています。
4人の生徒はそれぞれバラバラな個性の強さを持っていますが、どの個性も受け入れ、のびのびと伸ばすような懐の深さを感じさせます。
窪田正孝は実に細やかにリアクションをしていて、それを演技と感じさせないような高度な演技術を駆使しています。
ちょっと褒めすぎかもしれませんが、彼の特性がこの役では活かされている、まさにはまり役です。
高校生たちの研究発表会を見に行った科学部員たちは、あまりの高度な研究に尻込みしますが、
そんな彼らを藤竹はいかに導いていくのかラストには間違いなく感動が待っているでしょうから、今からワクワクしますね。
第5話の評価は…8