このドラマ、どんな結末になるか予想がつきませんでしたが、このあとどうしたかは視聴者の想像に任せるという終わり方でした。
NHK 土曜22時
「3000万」最終回
主演…安達祐実
脚本…弥重早希子
演出…保坂慶太
坂本(木原勝利)は警察に捕まってしまいますが、祐子(安達祐実)とソラ(森田想)はひるむことなく、長田と3人でボスとおぼしき穂波(清水美砂)の家に、消防点検を装い押し入ります。
穂波を縛りつけて、詐欺でためこんだ金のありかを探し回るのですが、
穂波と見張っている祐子の会話がまず面白かったですね。
ボスが税務署に勤める一見普通のおばさんってところが変にリアルで、平然とシラをきる感じが何ともふてぶてしくて良いんです。清水美砂ってところがナイスキャスティングでしたね。
「あの子が何言ったか知らないけど誤解よ。ちょっと雇われただけ」
「どこに隠しているんですか、お金と闇バイトのデータ」
「いくら払えば助けてくれるの?」
「全部終わらせにきたの、お金はいらない」
拘束を解いてくれたら、あなたと家族には今後一切関わらないと頼んできます。
なぜ祐子が警察に知らせず、こちらに来たのが穂波は不思議なようで、
「あなたは罪を償うつもりなんてないでしょう、バレなきゃ。」
「みんな綺麗ごと言う自分が大好き。やってることは真逆矛盾してる。自分のことだけ考えてればいいでしょ」
「あの子はこっちで始末してあげる。だったら楽になるでしょう?」
祐子の心を見透かしてるかのように、感情をこめずに淡々と言う感じが実に不気味でした。
そんな穂波に言う祐子の言葉が意味深でした。
「どうやったらあなたみたいになれますか?」
まさか祐子は穂波のようになりたいのか?とドキっとしました。
金のありかが見つからないソラに加勢するために祐子は見張りを長田と交替。
それはまずいぞと思ったら案の定で、長田はあっさり穂波に丸め込まれ、拘束を解いてしまいます。
形勢逆転、末次が来て、祐子とソラは拘束され、どちらから殺しますか?と物騒な話になります。
絶体絶命というところで、祐子は穂波がベラベラしゃべったことをスマホで録音し、夫にも送ったと言いひるませます。
長田は義光(青木崇高)のところに行き調べてくるよう命じられます。
一旦は窮地を脱した祐子は隠し持ったハサミで拘束を解き火事をおこします。
火災報知器が鳴り、管理人が来たので穂波は対応、消火にあたった末次を閉じ込め、祐子とソラは避難はしごから脱出しました。
思わず拍手でしたね。
ソラは3000万を持ち主に返しに行き、交番に自首しました。
祐子は車でどこかへ向かいます。
何かを決心したかのように信号が青に変わるとUターンをしました。
元の平凡な暮らしに戻るために自首しに行くんでしょうね。
皆さんはどう思われました?
このドラマはヒロインがつい出来心で大金を手にしようとしたために悪化する一方の事態に、たくましくしたたかに、時にはあさはかに対応していく話でした。
脚本が緻密でリアリティーがあり、見ごたえがありました。
最終回の評価は…8