最終回はたっぷり2時間。なぜ鉄平(神木隆之介)はリナ(池田エライザ)と端島を去ったのか?その後はどう生きたのか?が丁寧に描かれました。
TBS 日曜21時
「海に眠るダイヤモンド」最終回
主演…神木隆之介
脚本…野木亜紀子
演出…塚原あゆ子
いろいろと驚かされる最終回ではありましたね。
現代の朝子(宮本信子)の秘書の沢田(酒向芳)が進平(斎藤工)とリナの子である誠だったことや、
鉄平が玲央(神木隆之介)と瓜二つなのはあくまで朝子のイメージであり、実際は玲央とは違う顔だったこと。
端島にまつわる話でしたが、朝子と玲央か訪ねた現在の廃墟である端島の風景の迫力は、
朝子が玲央に語ったイメージと重なり、かつて人々がそこで生きていたということ、このドラマが描いてきたことに深みを与えて、
だからこそ、島を離れても端島にこだわり続けた鉄平の生きざまに感動させられました。
リナを守るために進平がヤクザを殺したことで、その罪をかぶりヤクザに追われる日々を送ることになってしまう鉄平の運命の理不尽さ。
朝子(杉咲花)と幸せな日々を送り始めようとした矢先に訪れた不運の切なさが胸を打ちました。
玲央と朝子が訪ねた鉄平が晩年住んでいたという家には、過去に朝子と植えるはずだったコスモスが今も咲き乱れ、
目の前には海に浮かぶ廃墟となった端島が浮かんでいました。
端島で炭鉱職員としてやっていたのと同じようなことを、そこでもやっていたというのもそんな生きざまを貫いた鉄平に感動させられました。
鉄平がいなくなった日で止まってしまっていた朝子の時間が、ようやく動き始めることがてきたというのがなんとも切ないものがありました。
賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)はその後いかに生きたか、鉄平の日記は賢将がずっと持っていたこと、日記が所々破かれていたのは鉄平が朝子のことを案じて破ったからだということ、
いろんなことがパズルのピースか埋められていくように明らかになっていきました。
しつこいようですが、現代パートで玲央や朝子の子どもたちがどうなろうとあまり興味はなく、そこは最終回でも弱かったんですが、
端島という特殊な歴史を歩んだ島を題材にした意義のようなものは改めて感じられる最終回でした。
最終回の評価は…8