第4話でようやく待望の蛭田直美脚本でした。やはり良かったですね。
女性脚本家ならではの目線で、都(冨永愛)やひまり(増田梨沙)のデリケートな部分を丁寧に描いてくれました。
フジテレビ 木曜22時
「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第4話
主演…香取慎吾
脚本…蛭田直美
演出…村上牧人
今回は一平(香取慎吾)が、選挙に向けてアピールする手段として、こども食堂設立をもくろむという入り口でしたが、
その協力を求めた一平の中高の後輩でイタリアンカフェをやっている都と、万引きをしてしまったひまりの話に移行していくのがスムーズで、まずそれが良かったです。
初めて生理が来てしまったひまりは、そのことを誰にも告げられず、ナプキンを買うお金が無くてつい万引きしてしまったのでした。
生理という女性にとってデリケートな部分を描くことで、早くに母親を亡くした
ひまりの喪失感と男ばかりの家族の中にいる孤独が浮かび上がり、胸をしめつけられました。
ひまりの母親は生前にひまりに教えておこうとしたのに、まだ生きていてほしくてその時は聞かなかったというのも切なく悲しかったです。
都が引き取りに来てくれて、ひまりにナプキンのことも優しく教えてくれました。
都は一平にこども食堂への協力を頼まれた時に、1人は寂しいと決めつけられるのに抵抗感をあらわにしていました。
都はシングルマザーに育てられ、母親がいない時に自分なりに料理を作り、そのおかげで今があるのでした。
つまり、少女の頃に孤独を味わったのは都も一緒だったのです。
都はひまりに母親を太陽にたとえ、今も母親の光は届いているからひまりは1人じゃないと励まします。
このシーン、とても良かったですね。
冨永愛の懐の深さが活かされたシーンでした。
今回、蛭田直美脚本で優れていると感心したのは都と親友、千夏(美村里江)の間に起きたほんの些細な、それでいて深い溝でした。
これまで子どものいない同士で旅行などにも行っていた仲だったのに、千夏はこのまま子どもが産めなくなることを後々悔いるのでは…と思い、子どもを産んだのでした。
もう1歳近くになるというのに千夏は子どもができたことを都には言えずにいたのです。
女性同士ゆえの微妙な関係性の難しさをあぶり出すエピソードでした。
見続けていて良かったです。
4話の評価は…8