今回はいろんな父子のありようについて考えさせられましたね。
ちなみに私めの父親は養子で、家業を継ぐのが当然のことで、ホントはなりたかった職業を諦めた人です。
なので、私めが自分のやりたい職業に就いた時は喜んでくれたのです。
そんな私的なことも考えさせられる回でした。
4話、6話に続いて脚本は蛭田直美。
今回もひねくれ者の私めが素直に泣ける素晴らしい脚本でした。
フジテレビ 木曜22時
「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」第7話
主演…香取慎吾
脚本…蛭田直美
演出…村上牧人
ひまり(増田梨沙)が正助(志尊淳)をパパと呼ぶようになり、一平(香取慎吾)と4人いい感じの家族になっていましたが、
そこに群馬の老人ホームにいるはずの一平の父親、平蔵(柄本明)が突然帰ってきます。
平蔵は一平とは仲違いをしていて長いこと会ってないし、正助も老人ホームに会いに行っても会ってもらえず、陽菜(向里祐香)の葬儀にも現れず、これが初対面でした。
なぜ戻ってきたかが分からず、昨年からやらなくなった町の祭りまでいるとしか言いません。
寝ている間に正助が枕元にあるノートを盗み見したら、「生と死の間で」とか遺書めいたことが書かれていて、
正助と一平は平蔵が余命わずかなのではと思い込んでしまいます。
そこで一平は父親のためにやらなくなった祭りを復活させようと考えます。
それは選挙の時のアピールにもなるからです。
母親や妹の陽菜を家に縛りつけてきた平蔵を一平は面と向かって否定しました。
一平は家族みんなで居心地のよい家庭を作っていくことを学んだので余計に許せなかったようです。
痛いところを突かれ、平蔵は自分は間違ってたことはわかってんだと居直りました。このあたりの頑固な昔ながらのオヤジを演じる柄本明は絶妙でした。
しかし、だんだんと平蔵の真意が見えていきます。
高校時代に一平が平蔵が嫌がりそうな祭りのカラオケ大会に出た時に、平蔵は密かに見に来ていました。
実は、平蔵は若い頃はミュージシャンめざした時もありギターを弾いて自作の歌を歌ったりもしていたのでした。
今回戻ってきたのは生前に陽菜が平蔵の歌を聴きたいと言ってたのに叶えられなかったので、その償いに歌いたかったからでした。
自分の夢は追わずに平蔵は親の敷いたレールに乗って町工場を継いだのでしょう。
それにつながるエピソードとして祭り復活のために今は青年部リーダーの旧友に頼みに行くシーンも印象的でした。
その友人は父親のあとを継いで酒屋をやっているのですが、高校時代にその決意をしたのを一平(奥智哉)は否定してケンカしてしまったのでした。
今思えば敷かれたレールに乗りたくなかったのにその決意をしたのは苦渋の決断だったとわかるのでした。
一平も黙々と機械に向かい続ける平蔵をリスペクトはしていたんですね。
しかし、反発してマスコミの道に進んだのです。
父親と息子って難しいですよね。
それを思うと義理の親子である平蔵と正助が涙ながらに陽菜のことを語り合い、お互い死ぬ時は見送る約束をするシーンは感動的でした。
正助が保育士になったのは親にしてもらいたかったことを、今子どもたちにしているんですね。そういう職業の選び方もあるんです。
柄本明の歌声は味わい深いものでしたね。
7話の評価は…8