春ドラマの期待度ランキング1位に選んだ作品です。前2作は私めの大好きな大人のラブコメでした。しかもホームドラマの要素もあり、切なくもなり心癒されもする作品でした。
それは今回も何ら変わってないようです。11年ぶりとは思えない再現度の高さでした。
フジテレビ 月曜21時
「続・続・最後から二番目の恋」第1話
主演…中井貴一、小泉今日子
脚本…岡田惠和
演出…楢木野礼
私めは和平と千明の間の年齢でもあるので、既にセカンドライフを送り始めている和平や、定年目前の千明の言動はかなり心に刺さるものがありました。
あえて今に至る2人の関係性を表現するために、コロナ禍で千明がコロナになってしまった時のエピソードが描かれました。
長倉家のそばに住んではいますが、1人住まいである千明は、和平や万理子(内田有紀)に迷惑はかけられないと看病を拒みます。
それでも和平は千明の心細さを察して、襖を隔てて声をかけ、そこに居てあげるのでした。
いい距離感で支え合い歳を重ねてきた2人の象徴的なシーンでした。
そして現在になり、2人は共に葬儀帰りに駅で鉢合わせします。
和平は市役所に入った同期、千明は上司の葬儀でした。
極樂寺駅の改札で千明がパスモがどこにあるかわからず探すのは前シリーズからお約束ですが、和平がどこにあるかをすんなり言い当てるのが2人の付き合いの長さをあらわして微笑ましかったです。
同期を亡くした和平は自分も遠からずそんな日が来ても…と寂しさを覚えずにはいられませんでした。
そんな時に一緒に語り合える千明のような存在がいるのは頼もしいですよね。
長倉家の食卓での会話は相変わらずで、あ~このドラマが帰ってきたと嬉しくなりました。
特に坂口憲二は病気で芸能界から離れていた時期もありましたから、復帰して何よりでした。
一条さん(織本順吉)は織本さんが亡くなったので登場できず、代わりに娘の律子(石田ひかり)が新キャラとして登場しました。
一条さんの遺影にスタッフの愛情を感じましたし、遺品でエロ本が出てきたのにも笑いました。
ちょっとの段差にもつまずき転ぶようになった千明と、親友たちとの会話にも、時の流れを感じましたね。
啓子(森口博子)は出版社、祥子(渡辺真起子)はレコード会社勤務ですが、かつてと違い今はオールドメディアとか呼ばれ、出版社はマンガ頼み、テレビ局はアニメ化し、レコード会社は主題歌を作るご時世になったと自虐的に語り合っていました。
このドラマ、若い視聴者にはどう受け止められるのかは分かりませんが、中高年には心に刺さるものがありますね。
なんで月9でやるのか、謎です。
1話の評価は…8