面白かったでーす! クライマックスの戦闘シーンが迫力満点で思わず見を乗り出して見入っちゃいました。これ絶対ラージャマウリ監督も見てるな。
 
頭が十あるキャラ、あれラーヴァナっていう魔王なんですけど、最近見たインド映画で腕っぷしの強い女性のあだ名として使われてました。すごく身近な距離に教養として二大叙事詩が存在している事が分かります。それにしても女性にラーヴァナって結構ひどくない? それだけ恐れられてる? 
 
全世界配給を目指していたため台詞は全部英語。でもマントラと歌詞はインドのもの。ありがたいことに字幕は日本語。二箇所程ミスがあったと思う。大木に向かって行く時の「いてーっ」とラストの方のシータの語尾。そこは「よ」じゃなく「と」じゃないか? 
 
あ、大木にむかっていったのはハヌマーンです。ハヌマーン、男前でステキでしたわ~。なんで猿族なんだろうとずっと不思議だったんですが、彼を人間にしちゃうと主役のラーマの影が薄くなるからね。だってハヌマーンの活躍ぶり、痛快無比だもん。ヨガでプランクが橋のポーズと呼ばれる理由が分かった 
 
この作品、アニメとして娯楽要素の強い場面をたくさん入れつつ、かつ『ラーマーヤナ』の本質である法(ダルマ)も説くという離れ技、やってのけてましたわ。その分物語性は多少犠牲になってたけど、仕方ないでしょう。見終わったあとで良いシーンだったなと思うのは敵味方でも互いに相手を尊重する姿 
 
これだけ凝縮された形で見ると、物語としての「ラーマのシータ奪還」というのは実は形としてあるに過ぎず、人々にダルマを如何に実践するかを教えるのが目的だったと分かります。でも他人に読んだり聞いたりして貰うには面白くなきゃいけないからね。どっかで別な話を取り込んだりもしたんだろうな。
 

 

#Rラージクマール 『ドラゴンボール』の悟空がすぐに結婚せず、青年期に誰かに猛烈な片思いをしたならこんな感じだったかも。無邪気なんだけど、自分は誰よりも強いという自覚はしっかり持ってるのが主人公のR、すなわちロミオ君。素朴で可愛い♪ 演じたシャーヒド・カプールは今年43才だって。
 
うえっ?! と思って調べたら、映画は2013年でした。うん、それなら納得だわ。とはいえ30代にもとても見えなかったから童顔なのね。ちなみに面白いけれど垢抜けてないというこの映画の印象も、10年前に当時最先端の流行を取り入れてたからだと思うと納得。そう考えると……やっぱり洗練されてないわ 
 
まあ深く考えずにその場で楽しめればそれでヨシというスタイルで作られている作品なんだと思います。それこそ東映まんがまつりで上映されるための『ドラゴンボール』映画みたいな。ただインドだし、対象は20代の男性らしいのでそれなりにマフィアやら裏商売やら絡んできます。どこまでも東映だな。 
 
日本と違うのは、女性を手に入れるやり方が「結婚」という点ですね。日本の映画なら恋人同士はとっくに結ばれるだろうし、悪党側にはチャンスがあればさっさと手込めにしてるだろうという状況で、「結婚するまでおあずけ」というしきたりが機能している。それが「結婚」を賭けて戦う理由になるのよ 
 
まあ「結婚」には敵同士が姻戚になる事で手を結ぶという側面もあるわけですが。それでも結婚を決意するに至るには恋心が存在してるんですよ。10年前とはいえ、現代が舞台で。そういう所が日本や韓国、欧米諸国とは違うなと。またそこがインド映画の面白い所でもあるんですけどね♪ 
 
この映画、全体的にムスリム社会が舞台なんだと思うんですよ。登場人物の服装とか習慣とか見てるとワリとそうなので。ワリと、というのは悪の下っ端の兄ちゃん達は他の国のチンピラとそう違わないカッコしてるから。 とにかく、主役のシャーヒドさんがムスリムだそうなので、それでなのかもしれません
昨日は『スルターン』と『囚われし者 ボーラー』を見てインドの警察あてにならねー! と思いを新たにしたのでした。ところで『ボーラー』の元になった『囚人ディリ』でディリを演じていたのが『スルターン』でも主人公だったカールティさんなんだそうで……。全然気づかなかったわ。違いすぎだよ!
 
『囚人ディリ』といえばビリヤニ。カールティさんがひたすら黙々とビリヤニを食べる姿が印象深すぎて、その後私も取り憑かれたようにビリヤニ食べたい食べたいと言い続けてたぐらいなんですが、『ボーラー』はそれがチキンだったんですよ、真っ赤な色した辛そうな。 あれは食べなくてもいいかな……。
 
#囚われし者ボーラー 『RRR』でラーマの父を演じているアジャイ・デーヴガンさんが主役。テルグ語の台詞は確か吹替だときいていたので初めて聞くお声に最初はふ~ん? って感じだったんですが、終盤にかけてどんどん響きがよくなっていくのね。最後の方は低くて静かな美声にうっとりしてました。
 
原作にあたる『囚人ディリ』を見ていたので展開にハラハラすることはなかったのですが、それでもアジャイさんの戦いっぷりがかっこよかったので映画にひきこまれました。敵方アシュってキャラが『レオン』のゲイリー・オールドマンを参考にした風にキレ散らかしてたのがなかなか見応えありましたのよ 
 
細かい展開は『ディリ』の方が上手かったと思うんですが、まあ初めて見る映画とそのリメイクでは受ける印象も違いますからね。ディリを演じたカールティさんは切なさや苦悩をもっと前に出した演技してたような気がする……。しかし戦闘の破壊力はアジャイさんの方が上かな? さすがラーマの父だわ