空に ぽっかり バナナが うかんでいる
あそこは お月さまの ばしょのはずなのに
へんだね
おいしそうに じゅくした 黄色いバナナに
心底 うっとり してしまう
見上げていたら ボクのほうに どんどん近づいてくる
しんぞうが ばくばく する
いっぺんに あんな おおきなバナナ たべられるの？
まるで 夢のよう ・・・
****** ****** ****** *****
「もう ねなさいの時間よー ちゃんと じぶんのベッドで寝なさいねー」
ふ～ この ゲンジツてきな声 ・・・ やっぱり 夢だったのか・・・
せめて ボクが バナナを ひとくちだけでも
たべてから おこしてくれたら いいのにねー
まだまだ ねむったふり していよーっと
そして
できるなら バナナさんの 夢のつづきを ・・・
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
夕方の散歩 してるときに ママのともだちに会った
よく会う 仲良しの チワワちゃんママ
ボクとチワワちゃんは フセして ママたちのおしゃべりが
おわるのを たいくつだよねと 待っていた
前のほうから ほんわか チーズみたいな
いい匂いが してきた
ボクは 鼻を少しうえにあげて クンクンしてみた
マカロンの 割れちゃったのが 落ちている
＊＊＊＊＊ た・べ・た・い ＊＊＊＊＊
だけど 食べたら ぜったい しかられる
いま ママは ニコニコ おしゃべり してるけど
見つかったら 赤鬼ママに 大変身する
ボクは こんなとき 夜の色わんこ から
ボクだと わかられない色の わんこに 大変身したい
＊＊＊ やっぱり がまん で・き・な・い ＊＊＊
パクリっと いっきに 食べちゃおー
そして・・・
鬼ママのコトバには 耳ぴちっと 閉じておこー
ママの 忘れっぽいところが ボクのお気に入りなんだ
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
きみの歩き方 きみのため息 きみの上目づかい
きみのあくび きみのおくびょう きみのたましい
きみの・・・
ネオくん きみの ちょっと わがままで
甘ったれで 天然なところも ぜんぶ
きみのまんま 記憶して
あしたから また あたらしい きみに出会う
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
朝から はりきって ママはおでかけの したくをしている
友だちの 絵の個展に 電車に乗って 出かけるんだって
ひさしぶりに 会うからって したくに 力がはいっている
見たこともない ひらひらの 灰紺色のスカート
ぺったんこじゃない ぴかぴかの 黒いくつ
目のまわりを ぐるぐる かいたり ぬったり
くりかえして いつもの ２倍の目に なった
それから ダマスクローズっていう いい香りをちょっとつけて
ごきげんに はなうたまじりで 出かけたママが
ボクのごはんの時間の 少しまえに 帰ってきた
帰ってきて すぐに 見慣れない顔を ぱしゃぱしゃ洗った
２倍の目は いつものふつうの目に 戻った
ボクは はっきりいって すごく ほっとした
だって パンダか パンチされたボクサー みたいだったから
それに ２倍の目でみられると いたずらも できなくなる
よしっ！ やっと いつもの目に もどった
まずは ごはん ちょーだい ぺこぺこ なんだ！
それから きょう あそべなかったぶん あそんでー！！
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
あの まばゆい空の 手ざわりを
ボクは 知らない たぶん 永遠に知らない
いつもの 散歩道で 空をみながら
ふいに ママが ぴょーんと ジャンプした
ダッシュの合図だと 勘違いしたボクは
ドッグランとおなじに 飛ぶように 走り出した
ついて来れないママの とぼとぼ走りに
合わせて ボクもスピード ゆるめた
手が届かなくても こころが届くだけで
じゅうぶんなこと ってある
いま いっしょに走ってる それが ボクの宝物
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
ボクのママは ボクからみると
おかしなところが いっぱい ある
そのひとつは 雨の匂いや
雨が降っているのを 見るのが 好きなこと
今日も お買い物の かえり道
広い広い キャベツ畑に しとしと 降り続ける雨を
眺めていたら いい気分に なったんだって
キャベツが 山ほど あるんだったら
ボクなら 雨なんか 目に入らないよ
目のまえの 新鮮なキャベツ バリバリ 食べたい
想像するだけで おなかが キュルキュル してくる
雨の中で 遊ぶのは 好きだけどね
雨は 食べられないじゃん
そんなこと いったせいか
今日のおやつは ちょっと見には ぱっとしない パンのような
和菓子のような・・・みたことのないものが 出てきた
だけど 食べてみたら おどろきの うまうま～で
おかわり！ おかわり ちょーだい！ と
ベロで 口びるを べろーん べろーん と やったけど
だーめ おしまい 太っちゃうよー！ だって
・・・・・ つ・ま・ん・な・い ・・・・・
それにしても・・・
気のせいか ママのきげんが いい日は
おやつが おいしい気がする
ママが 不機嫌に ならないように
このことは パパくんにも よく言っておくことに しよう
ネオに応援のポチ、ひと粒を。
ＮＥＯ
ママたちが ご飯 食べ終わったのを
見計らって
きみは ボクにもちょーだい の場所に行くね
ときめきに満ちた 目をして
脚を きっちり そろえて待つよね 何分でも
きょうのおやつは なしよ なんてこと
言えないってこと もう 百も承知の きみの目
ネオくん それってさー ・・・ ちょっと ズルじゃない？
鈴虫のよわよわしい声 キンモクセイの匂い
気がつけば 秋の入り口
このさき 気温が夏のように上がることが あっても
季節は 秋の真ん中や冬のはじめに まっすぐにむかっている
午後のひと休みの飲み物 ホットココア と レモネード
しばらくまよって あまり甘くないココアにした
ベージュの大きめなカップに たっぷりの温かいココア
同じものが 飲めたら いいのにね ネオくん
気にしなくて いいよー チーズやパンが大好きだけど
食べられるもの 飲めるもの おなかがいっぱいになるもの
その どれかだったら ボクは うっひょー！だからさー
きみの目は いつだって そう
いつもなら ただの食いしん坊なんだから と ため息だけど
こだわらない って なんだか いいね
ココロが少し ふわりとした
夕暮れに ときどき小走りな 影がふたつ
ありふれたワンコ と ありふれたワンコママの
ちょっとはしゃいでいる影
とくべつなことは なにもなく 昨日と同じ今日
なにもないけれど 洗いたてのコットンのような手触りの こんな１日が
またあした といって暮れてゆくことに
こころの体温が ひとめもり上がる
知ってか知らずか ネオくん急に振り返り じーっと こちらを見てた
ことしの秋はとても短そう
それでも ２０１０年の秋は一度きりだから
バニラアイスのような思い出ちゃんとつくりたいね、ネオくん
とりあえず今日は ダッシュで家まで走って帰ろう
帰って美味しい飲み物 いっしょに飲もう！
きみには お水にポカリスエットを入れてあげるね
