「ごはん大好き!」 ~ NEO ~

 

 

 

 

 

   深く 深く 耳を澄ましてみる

  

   波の音 鳥たちのさえずり ときおり 弱い風の音

 

   新しい1日の 夜が明けたばかりの海

 

   まだ だれもいなくて 

 

   海をひとりじめ している気分

 

 

   そろそろ

 

   陽に焼けた サーファーたちや

 

   泳ぐひと 散歩するひと 砂浜で遊ぶひとたちで

 

   浜辺も海も あふれてしまう

 

 

   その前に

 

   もう一度 深呼吸して 海を感じる

 

   

   目の前の 青い青い 海は

 

   ボクたちに

 

   がんばらなくても いいよ と言う

 

   がんばりたい気持ちなら それもいいよ と言う

 

 

   

ブログの夏休みも


昨日で終わりました。


今日から また あらたな気持ちで


がんばります。


ときどき 覗いてみてくださいね。



よろしくお願いいたします。



天気予報によれば


こんな暑さの日が しばらく 続くらしい


暑くなる前は 夕方の散歩が 


一緒に楽しめる 日課だった


今は 日が暮れかかってから 


散歩に出かけ すぐに帰ってくる


わんこ友だちにも なかなか会えない



夕方の散歩の 楽しみのかわりに なったのが


午後 いちばん暑い時間の 昼寝


床にごろんと 寝転んで


NEOと 一緒に 昼寝をする


ひととき 贅沢な時間 



   zzzzzzzzzzzzzzzzzz



妙な匂いで 目が覚めた


NEOは 先に起きて クーラーのあたる場所でフセしている


どうかしたの? という とぼけた顔をしている


あー この匂い ・・・


NEOが おしっこをしたんだ しかも たっぷり ・・・


いつのまにか 寝返りうって 


おしっこシートを 置いている場所の下に わたしの頭が・・・



ひととき クラクラする時間




 

夕方からの 稲光


だんだん大きくなる 雷の音


別の音で 掻き消して ごまかそうと


テレビをつけて ボリュームをあげる


それでも


耳をすまして 雷の音を聞き分けて


こわがる NEO


大好きなチーズ 食べる?にも


反応が鈍くなり


より安全な 居場所をさがして オロオロ


そんなにも 苦手なものがある


人間たちの世界で 生きるわんこたちが


気の毒になってしまう・・・



わんこが いやがらない 耳栓 


しかも ピタっと はまって 音をシャットアウトする 耳栓


東急ハンズとかで 売ってそうだけど・・・


聞いたことがない・・・







 夕方の散歩のあとに ポストを覗いたら


 たくさんのチラシに 混じっている 


 1枚の 暑中見舞いの葉書を見つけた



 手書きの暑中見舞い 手描きの 夏らしいイラスト入り


 丁寧な葉書に ひととき 猛暑をわすれ


 心づくしの涼を かみしめる



 パソコンに頼りきりの こちらからの


 季節の挨拶


 この夏は うれしさのお返しを 手書で送ろう








「ごはん大好き!」 ~ NEO ~



  どんと 大きな音が ひびいた


  空が 突然 ぱっと 明るくなった


  オレンジや 青や みどり それから ゴールド


  きらきら きらきら かがやいて


  夜の空に いっぱい 花を咲かせている



  ボクの友だちも たくさん集まって

 

  ラムネを飲んだり 金魚すくいを している



  少し 元気になった ラブちゃんもいる


  真昼の暑さには まいっちゃうけど


  そんなことは 百年前のことみたいに


  忘れてしまえる 楽しさだよ




  大輪の花を咲かせる 打ち上げ花火


  ぱちぱちと はかなげに咲く 線香花火


  炭鉱節や たくさん並んだ屋台のお店 


  ぜんぶが 主役の 夏祭り 




  みんな いる  みんな 笑っている


  ときおり隠れてしまう 青く澄んだお月さまも 


  にっこり している


 


 




「ごはん大好き!」 ~ NEO ~


    

    ピアノ教室に 通っている 小さな女の子


    公園のすべり台の 下のところに座って


    ボクに 教室のこと 話してくれた



    先生は ガクフの読み方や 指のはこび方よりも


    
姿勢を 注意することの方が たぁーっくさん!!     


    なんだって 


    「お背中 ピッ!」 と 言いながら


    右手のヒトサシ指を 背中のうしろに立てて



   

    それから  女の子は


    公園のそばを 歩いている 子猫を見つけ 


    おもむろに 立ち上がった



    紺色のひだスカートに 砂をたくさん つけたまま

    

    白いフワフワの子猫に 駈けより 


    背中に 小さなヒトサシ指を 立てて


    「お背中 ぴっ!」


    「お背中 ぴっ!」 しないと


    先生に しかられちゃうよ


    何度も 繰り返し 繰り返し おしえている







 

 

 

 
「ごはん大好き!」 ~ NEO ~

 

 

    みんなで テレビを見ながら

 

    美味しそうに スイカを食べている

 

    種を ペッ ペッ と 出しながら

 

 

    ボクが 居眠りしている間に・・・

 

    どうして?

 

    もう みんな おしまい って言ったじゃない

 

   

    そんなに おどろいた顔 しなくてもー

 

    って ボクのこと 笑っている

 

    おどろいちゃうよ! 真剣になるってば!

 

 

    真っ赤に熟れて 瑞々しそうな スイカ

 

    しかも 大きな スイカ

 

    ボクにも ちょうだい

 

     

    そしたら 今日のことは ぜんぶ 水に流すから

 

    今までと 同じように 仲良く暮らしていこう

 

    ねっ

 

 

    ボクは ちっとも うらんだり しないよ

 

    

    好意は どんなときも 邪心を持たずに

 

    そのまま まっすぐ 受け止めるのが

 

    大切なことだと 思うから

 

 

    ☆☆☆ スイカ ☆☆☆  ちょうだいっ! 

 

 

 

 

 




「ごはん大好き!」 ~ NEO ~


  

 夕方が音もなく 夜の入り口に向かうころ


 きれいな三日月が 西の空にぽっかり 浮かんでいた



 じっと 見上げていたら


 はっと 思った


 三日月は・・ お月さまは ひとつだってこと


 いつも まんまるの お月さま 


 見る場所で ちがう顔に うつるだけなんだね



 ボクが 散歩のときに 苦手だなっておもう


 ひとや わんこたちのことも


 ボクのこころを まっさらにして


 ちがう方向から 見てみたら


 苦手な気持ちが 小さくなるかもしれない



 ・・・・ 決めつけは いけない ・・・・



 お月さまは 空にいて 何もいわないけど


 ボクに いろんなこと おしえてくれる







「ごはん大好き!」 ~ NEO ~

  


  空はどこまでも 青く まぶしい


  白い雲はゆるやかに 流れている


  また 今年も夏がやって来た


  だけど・・・


  同じ夏は 来ないんだね


  隣の ラブちゃん 病気なんだ


  もう 治らないから 好きなもの食べさせて


  お医者さんが 言ったんだって


  好きなものは 元気いっぱいなとき 食べたいよ


  ねっ ラブちゃん


  ボクたちの 運命って 誰が決めるんだろう



  ラブちゃんには もう治らないこと おしえてないって


  オカサン 悲しい気持ちを閉じ込めて 明るい声で 話してた


  でも ラブちゃんはもう 気づいてるんだ


  気づいてない ふりを しているだけ


  ラブちゃんのオカサンが これ以上 つらくならないように



  ボクには してあげられることが なにもない


  いつもより ゆっくり ゆっくり いっしょに散歩するだけ



  それから


  神社のところを 通るとき


  奇蹟が起こりますように 神様にお願いするだけ



  ラブちゃん ちょっと やせちゃったけど


  自慢のゴールドの毛は ふさふさで 


  やさしい瞳は いまも きらきらしてる


  まだまだまだ まだまだまだ


  ずっとずっとずっと ずっとずっと ずーっと


  いっしょに散歩しようね 


  夏が終わって 秋と冬と春が来て 来年の夏が来ても


  ずっとずっとずっと ずっとずっと ずーっと  ね