『能面』は、演者は『神がかり』とし、観客を『夢幻能』の世界に引きずり込む。 | 神聖寺 隆健 090-3085-9732

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神聖寺 隆健 (しんしょうじ りゅうけん)
真言宗、法事と供養、仏教世話ばなし



上の梵字は私、隆健の筆による、サンスクリット語・般若心経からの一文字です。
ブログを途中からお読み頂いた方々の為に、過去のブログを、改めてご案内させて頂いております。なお、私のつぶやきは実生活には何の役にも立ちません。謝謝。
つぶやきを進めましょう。
『能面』は、演者は『神がかり』とし、観客を『夢幻能』の世界に引きずり込む。
能舞台で、能面を顔に付ければ『真言密教』の『秘密荘厳心』の思想世界が開く。
能舞台で、能面を顔に付なければ『大乗仏教』の思想世界が浮かぶ。
時間、人(舞台で演じる人も、客席で鑑賞するも同じです)、『演目』がまったく同じであっても、その舞台上で繰り広げられる『能物語』は『能面』の有る、無しで、『浮かび上がる宇宙観』がまるで違ってきます。
『能面』があることによって演者は『神がかり』となり、鑑賞する観客を『夢幻能』の世界に引きずり込みます。
能舞台が終了し、外に出ます・・・。
眼を閉じて、大きく深呼吸をして、今の『舞台』を思い返します・・・。
そこに『空(くう)』を感じれば、あなたも『悟りの世界』を経験です。
能の演目の一つに『鉄輪(かなわ)』があります。
『鉄輪』は『ひとりの女性の悲しい・怖いお話』です。
使用される能面の名前は『橋姫(はしひめ)』です。
姫の名が付くので可愛い感じ!と思われるでしょうが、いやいや、実際は『怖い・恐ろしい!』形相です!!
嫉妬で精神に狂いが高じてくると、女性の顔は額(ひたい)の両脇からキューと角(つの)が飛び出た『般若』(般若は女面の一つです)になります!
さらに進むと角(つの)がもっと細身になり恐怖100%・『蛇(ジャ)』に至ります。
〔あぁ~恐ろしい(おとろしい)ですよ!恐ろしい(おとろしい)です!〕
私が『橋姫』を打ち上げた(=製作完了!)時は、お酒を飲んで、頭から布団をかぶって早々に寝てしまいます!
・・・製作者責任放棄です!謝謝。
『能』の世界における『能面』の位置。
『仮面』を付けることによって『荘厳』な世界が幕開けします。
『能楽』の、ある流派は楽屋で『翁』面を眼前にして一時間以上も見入って精神集中をしてから、舞台に出るのが伝統とも聞きます。
この所作などは、まさに『密教』の『加持祈祷・入我我入』の世界ではないでしょうか!
長いこと、能と大乗仏教、真言密教のお話を続けて参りました。
お読みくださった皆様に感謝を。合掌。