日本で燕尾服と言われているもの、
その呼び方は、実はいろいろと多く複雑です。
燕尾服は、その名前の通り、背面が燕の尻尾のように分かれています。
日本では、その形状から燕尾服と呼んでいますが、
これをそのまま英訳すると、
スワローテールズコートとなります。
略してテールコート。
この名称でも通用しますが、
今回の議題は、
燕尾服を英語で言うとイブニングドレスになるということで、
実際にプロトコールの本などには、
燕尾服をフルイブニングドレスと表記してあります。
男性の服なのに、イブニングドレス???
その経緯は、
燕尾服が登場した18世紀後半は、
燕尾服は昼夜使われていましたが、
19世紀の後半から、夜の正装(夜会服)として
使われるようになりました。
そこで夜の正装(夜会服)という意味で、
フルイブニングドレスと呼ばれるようになったのです。
この呼び方の派生として、
フルドレス、イブニングドレスコート、イブニングコートと
呼ばれることもあります。
ドレスという言葉を聞くと、女性の服というイメージが
あるかもしれませんが、
フルドレス = 正装
つまり、ドレスという言葉は、
男性でも女性でも使うものなのです。
また、ドレスコードの表記として、
燕尾服のことを、ホワイトタイと表記します。
英語以外の燕尾服の呼び名は、
フランス、イタリア、ドイツ、オーストリアは、フラック。
ウィーンの舞踏会に行く場合は、
フラックという言葉を覚えておけば、間違いありません。