「毒娘」ホラーなんだけど私には彼女がダークヒーローに観えてしまいました。助けてくれたと思います。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「毒娘」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

夫と娘と3人で中古の一軒家に引っ越してきた萩乃。ある日、外出中の萩乃のもとに、娘の萌花から助けを求める電話が掛かってくる。慌てて帰宅するとそこには洋服を切り裂かれた萌花に馬乗りになって大きなハサミを握りしめる見知らぬ少女の姿があった。

というお話です。

 

 

夫と娘の萌花と3人で中古の一軒家に越してきた萩乃。家庭に恵まれなかった彼女にとって、夢に見た幸せな家庭。夫とは再婚で連れ子の萌花がいるが関係は良好だ。夫は前の妻とは死別している。萩乃は結婚しても仕事をしたいと思っていたが、夫から以前の妻が家庭的ではなかったので、萌花も心配だし家に居て欲しいと言われて専業主婦となった。そして夫は萩乃との子供が欲しいと言い、積極的に妊活に入る。

ある日産婦人科で妊活の相談に行っていた萩乃に萌花の悲痛な声で助けを求める電話がかかってくる。「ショートケーキとコーラ、買ってきて!」。あまりに切羽詰まった声だったので、急いで家に帰ると、萩乃が目にしたのは、荒れ果てた我が家と洋服をずたずたに切り裂かれた萌花、そして萌花に馬乗りになって大きな鋏を握りしめた見知らぬ少女の姿だった。



 

その少女の名前は<ちーちゃん>。かつてこの家に暮らしていたが、同級生を失明させる事件を起こして町を去ったはずだった。1度目は警察に通報するのを夫に止められたのだが、2度目の被害で萩乃は警察に通報し、"ちーちゃん"の両親だという男女を警察が連れてきて謝るのだが、何かがおかしい。

ちーちゃんの存在が、一見幸せに見えた萩乃たち家族が押し隠そうとしていた「毒」を暴き出し、悪夢のような日々の幕開けを告げる。萌花はちーちゃんに近づき始め、夫は自由を求め始めた萩乃を抑えつけ始める。そして…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

うーん、ホラー映画なんだけど怖さはあまり無いかなぁ。不思議な映画でした。だって、怖さの現況である”ちーちゃん”の目的が全く分からないんですから。ただ、いやがらせをしているとしか思えないんです。極悪ですけどね。その家に引っ越してきた一家に災いをもたらしていくんだけど何がしたいんだか分かりません。

 

そんな家に引っ越してきた萩乃と夫と娘。引っ越してきてすぐに赤い服を着た少女が家の周りをうろうろしているんです。なんだろうなと思っていると勝手に家の中に入っていたりして、どうやって入ったのか解らず不思議なんです。そして、ある日、そのちーちゃんが娘の萌香に襲い掛かるっていう凄い行動に出るんです。一体、なんなのかしら。

 

 

で、観ていると家族の関係が表面的で内面に色々とドロドロ抱えていることが見えてくるんです。ちーちゃんはそんな家族の暗い部分をどんどん広げて爆発させるんです。だから、考えてみると、とってもイイ人って感じになっちゃうのよね。だって、今まで我慢していた不満をぶちまけるきっかけを作ってくれているんですから。

 

そうなると、なんかホラーじゃないでしょ。赤い服を着てハサミを持ってるからって怖くなるわけじゃないのよ。ただね、このちーちゃん、以前にこの家に住んでいたという設定で両親も謝りに出てきたりするんだけど、その正体は全く分からないんです。ちーちゃんも両親も、引っ越した先からもいなくなっていて、その正体がわからないところが恐怖なんです。

 

 

怖いと言ったら、夫のモラハラかしら。マジで酷いモラハラ夫でした。なんでこんな男と結婚して、大人しく専業主婦なんてしているのかしら。仕事がしたいならすればよいし、子供が欲しくなければ欲しくないと言えばよいのに、なんで言われるがままなのかなと不思議でした。萩乃は子供のころに家族に恵まれなかったらしく、幸せな家族になりたかったらしいんだけど、これ幸せな家族じゃないよなぁと思いました。

 

このちーちゃん、萌花が気に入ったのか友達として家に入り浸るようになります。萌花はちーちゃんに洗脳されていき爆発をするのですが、もし、このまま我慢をしていたら壊れていたと思うんです。既に不登校で家にずっといて、新しい母親の萩乃のことは良く思っているんだけど、父親のいうがままに従って我慢している姿を見て、自分の亡くなった母親を思い出してしまうんです。

 

 

亡くなった母親は父親のモラハラで亡くなっており、萌花にとってはトラウマなんです。そこを刺激されて萌花が変わって行き、萩乃も影響を受けていくんです。結果オーライになるんだけど、家族は維持出来なくなるよねぇ。難しいです。でも、全てちーちゃんのおかげだから感謝しなくちゃね。(笑)

 

謎のちーちゃんは、何故かどんなことがあろうともその家から離れることは無いようで、新しい人が住むとまた現れて被害をもたらすようでした。怨霊なのか人間なのか、それすら判らずにいつまでも死なないという、不思議な存在でした。貞子的にしたいのかもしれないけど、いやいやとっても良い子でした。これ、ホラーとして続けるのは無理じゃないかな。どちらかというとダークヒーロー的でしたから。

 

萩乃役の佐津川さんは、ちーちゃんという恐怖から萌花を守り、夫に追い詰められる妻として、頑張って動いていたと思います。もともと、佐津川さんは好きな俳優さんなので楽しめました。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。苦しんでいる家族がいたら助けてくれる恐怖のちーちゃんという感じで、怖い雰囲気ではあるけど、やっていることは人助けでしたよ。まぁ、萩乃と萌花にとっては助けだったけど、他の家族にとっては違うかもしれませんけどね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「毒娘」