2時間をこえる長尺の最終回、ただだらだらとした内容になったらイヤだな…と思ってましたが…
全くそんなことはなく、長さを感じさせない充実した内容でした!
フジテレビ 火曜21時
「救命病棟24時」最終回
主演・江口洋介、松嶋菜々子
脚本・一色伸幸
演出・河毛俊作
今回のシリーズがテーマとしてきた問題、盛り込めきれなかった問題をすべてストーリーに巧みに入れ込んで、
現在の救命医療について大いに考えさせられるものにした一色伸幸の脚本は見事だったと思います!
最終回の軸になったのは工藤研修医(石田卓也)の挫折と、
理想派進藤(江口洋介)と現実派澤井(ユースケ・サンタマリア)の対立と和解。
美容整形医の息子で、これまで挫折なしできて、研修が終わったら父を手伝えばいいくらいに思っていた工藤。
しかし、指導医の進藤と出会い、進藤に心酔し、進藤のようになりたいと非番の日も休まず出勤するほど、救命医療の習得に夢中に…。
そんな工藤の姿を見て、睡眠導入剤を服用して寝ているから休ませた方がいいと、澤井は忠告しますが…
研修医の頃はそういうことがあると、進藤や小島(松嶋菜々子)は受け流します。
そんな時、事故現場から要請があり、小島と工藤がドクターカーで現場へ。
急を要する患者に付いて小島が病院へ行ってしまったあと、工藤の方の患者の容態が急変…
懸命に手を尽くしますが、患者は死んでしまいます…
当初は患者の死を引きずらないよう努力していた工藤ですが、翌日から無断欠勤…
亡くなった患者の葬式の日、喪服姿で階段から泥酔して転落、頭を打ち重体の工藤が運びこまれます…
葬式で取り乱した遺族に「人殺し」って罵られ、飲めない酒を飲んじゃったんですね…
何とか一命は取り止めますが…工藤の一件が救命センターに暗い影を落とします…
そんな中、第二の工藤を出さないため、自分は医局長をやめ医療改革機構に入って、救命医療の現場を変えると澤井は、皆の前で宣言。
進藤にはこの病院をやめて欲しいと言い放ちます…
でも実は…澤井は昔から現実的だったわけではなく、
かつては自分も進藤や工藤のように熱い救命医で、休みもとらず救命に励んでいたこと…
そんな疲労の中で何かがあって、ふと気がついたら飛び降り自殺をしそうになったことがあること…
が小島にする話から分かります…(澤井はあくまで古い友人の話として話すんですが…)
それで工藤のことも心配していたわけです…
つまり、澤井は自分のように自殺しそうになる救命医を出さないためにも、救命医の負担を減らすには国の医療制度を変えるしかないと思い至ったんですね…
でも送別の時センター長(小野武彦)が忠告したように、所詮は医療改革機構も役人の天下り用に作ったもの、政治家を信じたらドンキホーテと笑い者になるだけ…というのもまた事実。
澤井を待ち受けているのは厳しい戦いなんです!
役人や政治家を相手に戦っていかなければいけませんからね…
会議の席で澤井は、言うなと言われた予算増大の話をし、居眠りしている役員を起こし、
最後にある誠実な救命医の言葉として、進藤に言われた言葉…
「助けられる命を見捨てるのは犯罪です!」
を言うんです!!
ちょっと感動しました…
ユースケがやけに格好よく見えた!!
現実にもこんな人がいるといいのに…と思いました!
そのあと、事故現場に進藤と、澤井も駆けつけ、澤井はもうこんなことしなくていい…
「今はオレたちが頑張るから、未来は任せた!」
と、言われます…
澤井にとって、これほど嬉しい言葉はないですよね…
この先つらい状況になっても、頑張れるんじゃないでしょうか…
助かるとは思ってましたが、容態が悪化した工藤も結局助かってホッとしました…
工藤くんの声です…
って電話ごしに機械の心拍の音を聞かせるところは…ちょっとヤバかった…
( ̄∇+ ̄)
あと、工藤の転落現場で交わす進藤と工藤の父(國村隼)の会話も良かった…
臆病で患者の生き死にがイヤで美容整形医になった父の、息子が救命医になりたいと言ってきた時の嬉しさと、進藤に息子を取られたような悔しさを國村がさすがの名演技で見せて、ここもぐっときました…
最終回になって、やっと野口先生(矢柴俊博)もクローズアップされ、
夏休みに息子を一度も遊びに連れて行けず、花輪(板尾創路)のように捨てられるのかと嘆いてましたが、
理解のある家族だったようで、地味に良かったです…
高視聴率につき冬のスペシャルが決まったようです!
楽しみにしたいと思います!
決して期待を裏切らないと思うので!!
(^-^)b