何を今さらって感じですが、最終回で気づいたことがあるんです。
それは、脚本も演出もプロデュースも、実はこのドラマ1人として女性が入ってないんです!
つまり、このドラマは男性たちによって描かれた母性愛の物語だったんですね…
なぜ、そんなことが気になったかと言うと…
日本テレビ 水曜22時
「Mother」最終回
主演―松雪泰子
脚本―坂元裕二
演出―水田伸生
一つ印象に残るセリフがあったんです。
それは、葉菜(田中裕子)の過去をよく知る老人(高橋昌也)が駿輔(山本耕史)に言うセリフで、
「人間には男と女ともう一つ、母親というものがある…」
(→正確ではないですが…)
これは葉菜が娘のためなら夫も殺した、母親はそこまでできるんだ…って話の中で出てきたのですが…。
実は、葉菜の夫を殺したのは幼い奈緒で、その罪を母親の葉菜がかぶったんですね。
どなたかもコメントで指摘しておられましたが、このドラマのタイトルバックのtの文字は十字架に見えるんですが…
葉菜は娘のために自分を犠牲にして生きた聖母のような存在なのではないかと思うんです。
田中裕子の顔も菩薩顔で、仏教なら慈母観音のようですしね。
つまり、このドラマで描かれた「母親たち」は、男たちの視点から見て、理想であったり、スゴいなぁ~と思える存在だったのでは…と思うんです。
私めも男なのでそう思うのかもしれませんが、
娘のため自己を犠牲にした葉菜も、
他人の子供を救うため、罪を犯してまで母親になった奈緒(松雪泰子)も、
血のつながらない奈緒を、隔てなく育てた籘子(高畑淳子)も、
心臓に欠陥がある子供とわかっても中絶せず産んだ芽衣(酒井若菜)も、
皆、男からすれば素晴らしい母親たちです。
だからこの話は、リアルに描かれながらも、どこかファンタジックな美しさ、寓話性を持っていたのだと思います。
娘を虐待した仁美(尾野真千子)にさえ、なぜ虐待するに至ったかを丁寧に描いたのも、男性から見た客観性があればこそだったのかもしれません。
こんな母親もいるのだ…という…。
ちょっと話が長くなってしまいましたが、このドラマがなぜ優れていたのかの、一つのヒントかなと思い、あえて書きました。
最終回は変にお涙ちょうだいになったらイヤだなと思ってましたが、
葉菜の死も、奈緒と継美(芦田愛菜)の別れも、抑制のきいた脚本、演出、演技で最後まで裏切らずに終わってくれて何よりでした。
再会もごくさりげなくで、とてもセンスを感じるラストでした。
一つ気になったのは仁美はその後どうなったのか?でしたが、
今回の評価は…
満点を温存してしまいましたが、途中満点出せば良かった回がありましたね。
さて最終回の視聴率ですが…
16.3%
(前週比1.5%)
最終回見事に15%を超えて有終の美を飾りました。
応援し続けてきたドラマが視聴率が上がって終わるのは、ホント嬉しいことです。
このドラマについては語りたいことが多いので、また総評は改めて書きます!
(^-^)b