すべてが相乗効果に…「Mother」総評 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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イヤ~~日本よく勝ちましたね~~!!
(*^▽^)/★*☆♪





良かった!良かった!!





あんまり気分が良くて、「素直になれなくて」の最終回の録画を見る気になりませんでした…(苦笑)





なので…

今クール最も私めがハマった「Mother」の総評を書くことにします!!





思えば、このドラマ、岡田JAPANのように前評判は決して高かったわけではありません…





実力派のキャストを集めてはいるものの、地味で暗いテーマなので、作品の質は良くても「曲げられない女」ほどの視聴率のブレイクは望めないだろう…というのが大方の予想だったと思います。





サッカーサッカーなら、まぁ…いい試合をしてくれれば、それでいいよ…的な。





そして、志を高くじっくりと、これまでのこの枠のドラマのタッチとは違う映画に近い深みのある映像という手法で演出されました。




これは奇しくも、「龍馬伝」のスタッフが、大河ドラマでやっている試みと同じでした。





しかし、映像だけではどうにもなりません。
そこに説明的なセリフを極力排除し、作品に奥行きを持たせた坂元裕二の緻密な脚本が加わります。





しかし、演出と脚本が良くても、肝心のキャストがそれに応えた演技をしなければ、どうにもなりません。




このドラマのキャストは、まさに完璧に近かったと思います!





中でも初回から鮮烈な印象を与えたのは、天才的な子役、芦田愛菜の演技でした。





それはちょうど日本代表の本田圭佑の鮮烈な初戦ゴールにも似ていました。





あの1点でその後の日本代表が勢いづいたように、芦田愛菜の名演技は、このドラマの注目度を高めていったのです。





虐待されながら大人の顔色をうかがい、作り笑顔をする…
そんな難しいニュアンスの演技をわずか5歳にして、演じてみせるこの子役には、最終回まで感心させられ、泣かされ通しでした。





ドラマは人が集まって作るものですから、機械が作るのと違って、作り手の気持ち次第という部分が大きいんです。





なので、キャスト同士でも、この子役に食われないよう私もちゃんと演じなきゃ…って気持ちが広がって、皆が優れた演技を見せる相乗効果が生まれたんです。




中でも、名子役と、久しぶりの連続ドラマの田中裕子の肩の力の抜けた名演技に挟まれて、松雪泰子はホントよく頑張ったと思います。





「龍馬伝」でも福山雅治がクセの強い名優たちとわたりあって、いつになくいい演技を見せているように…




感情を抑えた中に、熱い思いを秘めるという高度な演技を見せてくれました。





もともと私めは田中裕子がどんな演技を見せるのか、それが楽しみで、このドラマを見始めたところがあるわけです。





いや~、やはりこの人、ただ者ではないですね。
恐れ入りました!って感じの引き算の演技を見せてくれました。





「引き算の演技」とは、私めがよく使う言葉ですが、過剰な感情表現を一切せず、むしろ削ぎ落とせるだけ削ぎ落として、演じてないように見せる…その人物自体がそこにいるように感じさせる演技のことです。





これができるのは、さまざまな経験を積んだ人だからできる境地で、田中裕子はその境地に達しているわけです。





田中裕子の名演に触発されたかのように、高畑淳子も他ではなかなか見せない深い演技を見せてくれましたね。





更に、妹役の酒井若菜、倉科カナ、
記者役の山本耕史、虐待母の尾野真千子、
適材適所、しっかりした演技で、足を引っ張る人が、誰もいませんでした。





脚本、演出、キャストが3拍子そろって良かったという点では、感動の度合いといい、「JIN-仁-」に匹敵するドラマだったと思います。
(^-^)b