普通の人間をごく普通に演じるというのは、実は難しいことだとされています。
役者としての個性を殺してホントにそんな人がそこにいるように見せなければならないからです。
かつて「僕の生きる道」で草剪剛に、平凡な男を演じさせた脚本家橋部敦子が、
二宮和也に今の世の中、どこにでもいそうなフリーターを演じさせ成功しています。
フジテレビ 火曜21時
「フリーター、家を買う」第1話
主演…二宮和也
脚本…橋部敦子
演出…河野圭太
ホントわれわれテレビ業界でも3ヶ月もしない内に、辞めてしまう新入社員っているんです…毎年のように。
辞めたって、そんなヤツ雇う会社なんてないぞ…と説得はするんですけどね…
このドラマの主人公も、入って早々に会社に嫌気がさし退社。バイトをしながら再就職をめざすもどこからも相手にされず…
遂にはバイトをやる気も失せ、家に引きこもってゲームびたり。
そんなダメダメなさえない青年を、すんなりと二宮が演じてます。
随所で見せる細かいリアクション演技とか、二宮らしい小技のきいた上手さを見せました。
脇を固めるメンバーも実力派ぞろいなのですが…
印象的なのはうつ病になってしまう母親役の浅野温子。久しぶりの連続ドラマなのに、気の毒な役ではありますが…すごい存在感ではあります。
しかし、親父が竹中直人でおふくろが浅野温子で、姉ちゃんが井川遥…って濃厚な家族ですね。
どうも、その一家に二宮がいるのは不似合いな気もします。
しかも竹中直人の親父が、今どき珍しいステレオタイプで、リアルさに欠けるのが難。珍しくふざけずに演じてるのに…
あと医者に嫁いでる井川遥の姑役の鷲尾真知子が、嫌みな感じで今後に期待を持たせます。
キャストはいいのですが、内容的にグッと来るものがまだ希薄な感じ。
ちゃんと評価できるのは、しばらく先になりそう。
今回の評価は…おまけして
次からはもっと厳しくしますけど…。