全編に漂った切なさ…「流れ星」を振り返る | 連ドラについてじっくり語るブログ

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総評を書くと言いながら、それきりになっていた作品の総評を書いていきます。




その第1弾が…
「流れ星」



ここ5年で、フジテレビ月9において男女W主演の恋愛ドラマは…

2006秋
玉木宏、上野樹里主演
「のだめカンタービレ」

2007春
山下智久、長澤まさみ主演
「プロポーズ大作戦」

2008冬
香取慎吾、竹内結子主演

「薔薇のない花屋」

2008秋
北川悠仁、堀北真希主演

「イノセント・ラブ」

2009夏
山下智久、北川景子主演
「ブザー・ビート」

2010秋
竹野内豊、上戸彩主演
「流れ星」



と、驚くことにわずか6本しかないんです。





恋愛ドラマと言えば月9という枠なのに…。





…で、いかに今回が異色の月9だったかといえば、来年1月には40歳になる竹野内豊がヒーロー役だったこと。





そのためか前評判はさほど高くなく、ここ10年の月9でワーストのスタートを切ったわけです。





しかし、視聴率は…
13.6%→14.2%→13.7%→15.0%と上がっていきました。
初回が2桁以上のドラマで初回より第2話の方が視聴率が高かったのは、この「流れ星」だけです。





当初は恋愛ドラマのムードはまるでなく、ヒーロー健吾の妹マリアへの肝臓移植のため奔走する姿と、兄の借金のため風俗嬢をしている絶望的なヒロイン梨沙の姿が平行して描かれ…





その2人が契約結婚という形でドライにペアになる過程が、それに続きました。




前半引き付けたのはヒロイン梨沙を演じる上戸彩の、いつにないダークな演技。




そして、出番は少ないものの妹にたかって平気な顔をしている兄修一役の稲垣吾郎の存在感でした。





対してヒーロー健吾役の竹野内豊は至って寡黙で自己主張をせず、受けの芝居を続けてましたが…





終盤、恋愛ムードが高まるにしたがって、グイグイとその存在感が高まり…





渋い大人の男の魅力をプンプン匂わせて、最近になくじっくりと心に迫る恋愛ドラマになりました。





ボディブローのように、次第にじわじわときいてきて、ラストでノックアウトという感じでした。





高倉健的なストイックな男が主人公の恋愛ドラマなんていつ以来?ってぐらいありませんでしたから、かえって新鮮でしたね。





水流を作ってあげないと死んでしまうという白く透明なクラゲや、一瞬輝いて消える流れ星に象徴される切なさが全編に漂っているドラマでした。





主演の2人以外で言うと、
ストーリーにはちゃんとからんでいるけど、中途半端な存在で、マリアの主治医役の松田翔太や健吾の婚約者役の板谷由夏は、損してました。





マリア役の北乃きいも、力を発揮しきれたとは言えず、むしろマリアと同じ病気で移植できず死んでしまう患者役の桐山照史の方が、なかなか好演して、おいしいところを奪われた感じでした。





恋愛ドラマは主題歌が非常に重要ですが、コブクロの「流星」はドラマの中身ともリンクしていて、切なさを高める名曲でした。