現代の寓話…「フリーター、家を買う。」総評 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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「フリーター、家を買う。」を総括して評価しておきたいと思います。





そこそこの大学を出て
そこそこの会社に入った
そこそこの男、武誠治(二宮和也)




しかし、入社した会社に研修の時点から嫌気がさし、すぐにやめてしまい、以後バイトもやってはやめの繰り返し…





典型的な今どきのフリーター暮らしを続けています。




このドラマはそんなダメ息子が母親のうつ病発症をきっかけに何とかしなければ…と奮起し人間的に成長していく過程を丹念に描いていきました。





二宮和也のそこそこの男ぶりが実にリアルで、そんな主人公が土木現場で働きながら、母の世話もし、就職活動も続けるさまに、共感を持たれたわけです。





特に50代以上の女性からも支持を得たのは、「ウチの息子にも…」という願望があったかもしれません…





誠治が母親にハンドクリームを塗ってあげるシーンは、しみじみとした場面で心を打ちましたし…





もう自分には世話は無理だ…と仲間たちの前で泣くシーンにはもらい泣きしました。





最初は土木現場で働く人をバカにすんなと怒られていた誠治が、みんなで作った道路を見ながら去っていくところで、誇らしい仕事だと知るシーンは印象的な良いシーンでした。





原作よりもふくらませて描かれた、このバイト先の人々が皆いい人たちで、辛気くさくなりがちなドラマの中で、癒される場面になってました。





すべてがうまくいきすぎるほど丸くおさまったラストも含めて、これは現代の寓話なんだな…と思えるものでした。





ただ難を言えば、風呂敷を広げすぎた感がありました。
父親が若い女の子に援助している話や、

バイト先の事務員のあかりちゃんと哲平くん、隣の西本さんの息子の三角関係、
千葉(香里奈)の会社の先輩への片思い、





など必要だったかな~と思えるものがありました。





キャストでは、
父親役の竹中直人は、憎らしいクソ親父を、ホント憎らしく演じていたし、

母親役の浅野温子も、懸念してたほど過剰演技ではなく、安心して見れました。
姉役の井川遥も、実はあまり好きな女優ではなかったのですが、今回は父や姑にもずけずけ物言うキャラで共感が持てました。



あと好きだったのは、誠治が通うハローワークの相談員(アンジャッシュ児嶋)とのやりとり。回を追うごとに関係が変わっていくのが楽しみでもありました。