こういう時期なので早めの帰宅による自宅で過ごす時間が増え、昨日は遂に自宅待機…
この機会に何か勇気づけられるものを…と思い、ずっと録画したまま見られずにいたこの作品を2日で全5回見ることができました…
TBS
「99年の愛~JAPANESE AMERICANS」全5話
主演…草なぎ剛
脚本…橋田壽賀子
演出…福澤克雄
いやぁ~、こういう時期に見たからまたひとしおなのですが、
実に良かった!!
感動しました…
テレビドラマもお金と時間をかけて、熱のこもった脚本と演出スタッフとキャストが結集すれば、かくも素晴らしいものができるということに…
今さらながら深い感銘を受けました。
そして、日本人はどんな苦境でもたくましくそれに耐え、生き抜いていく民族なんだな…ということに、勇気づけられました。
ぜひ、TBSはくだらないバラエティーなど放送せず、このドラマを再放送して欲しいと強く願わずにはいられません。
内容の方は何を今さら…という感じですので詳しい紹介は略しますが…
非常にざっくり書くと、貧しさゆえにアメリカに渡り農場を拓いた日系1世とその子供たちが、差別と戦いながら、戦争中の収容所暮らしなどに耐えつつ、戦前、戦中、戦後をたくましく生き抜いていく話。
演技について言えば、日系1世の長吉の若き日と2世の一郎を演じた草なぎ剛がまさに渾身の演技でした。
特に日系人だけの442部隊に従軍し、テキサス大隊救出の命令に難色を示す仲間に、アメリカに残してきた家族や未来の日系人のためにも大和魂を見せてやろう!と鼓舞するくだりは…
鬼気迫る演技で、その場に自分まで立ち会っている気にさせられるほどに引きこまれました。
ここ一番の草なぎの爆発力は凄まじいものがあります。
最終話は回想シーンにしか草なぎは登場しませんが、その死にざまの見事さが、大きく影響を及ぼし、存在感を強く残していました。
442部隊のパレードで、一郎が盾になってくれたおかげで生き残った戦友(片岡愛之助)が一郎の写真を持って行進してきて、沿道の母親(泉ピン子)が駆け寄るシーンは泣けました。
この442部隊のエピソードはドキュメンタリー映画にもなり、近い将来渡辺謙が監督して映画化されるそうですが、実話だけにドラマの中でとりわけ感動的でした。
まるで映画のような迫力の戦闘シーンに、スタッフの並々ならぬ熱意を感じ頭が下がります。
他にも感動的なシーンはあげればきりがないほどですが、家族と離ればなれになるしづ(寺島咲)とさち(川島海荷)姉妹のシーンは、2人の好演もありどれも胸をしめつけられるもので…
やっと身を寄せることになった医師の家で、おはぎをふるまわれ、甘い…と涙するシーンも…泣けました。
さちに優しくする日系の海兵隊員役の中尾明慶の無償の善意にも打たれました。
あと、兄嫁にずっと好意を寄せながら、そばにいて助け続ける次郎役の松山ケンイチも、やっぱりいい役者だな…と惚れぼれする演技でした。
とかく橋田壽賀子の脚本は、心情まで説明するような長ゼリフが多いのですが、それを説明っぽく聞かせない技量は大したものです。
現代編の子役2人のセリフが変に大人びていて鼻についた以外は…キャストはすべて文句なしでした。
若き日のピン子を演じたイモトも違和感がなかったし…。
いずれにしてもアメリカ日系人のことを、広く世に知らしめた、意義深い作品でした。