いよいよ今夜待望の「JINー仁-」完結編がスタートします。
それにあわせて、前作について振り返っておきたいと思います。
前作の放送前、私めは期待度ランキングでこの作品をかなり低めにしていました…
なぜなら、現代の医師が江戸時代にタイムスリップしてしまうという話が、チャチなものになって現実味が薄いのでは…と思ってしまったからなんです…(汗)。
しかし、放送が始まって早々に、私めは自分の不明さを恥じることになります。
まず画面から伝わる制作者たちの情熱、本気さに打たれました。
石丸彰彦プロデューサーの「民放でも大河ドラマに負けない時代劇を!!」という気概が傑作を生み出したのです。
何でも、石丸Pと脚本の森下佳子は全部の回のストーリーをあらかじめ、しっかり考えた上で、1話ずつ書いていったそうです。
なので、どこで伏線をはり、どこで明かすか、などの計算が非常に緻密に組み立てられていて、実に完成度の高い脚本でした。
この森下佳子と並んで、「世界の中心で愛を叫ぶ」「白夜行」と石丸作品を支えてきた(森下脚本ではない「ROOKIES」も…)のが演出の平川雄一朗。
この人の映像と音楽へのこだわりは並々ならぬものがあります(堤幸彦の影響を受けていますが…)
特に、ここ一番の感動的なシーンでの音楽の使い方はまさに名人芸ともいえるもので、気持ちよく感動し泣かせてくれます。
そして、キャスト。
実は主要キャスト4人のうち、私めが好きなのは綾瀬はるかぐらいで、あとの大沢、中谷、内野はあまり好きな役者ではなかったんです。
ところが!
これまで「星の金貨」以外はあまり強い印象のなかった大沢たかおがいつの間にか一皮も二皮もむけたいい役者になっていたのです。
現代人が江戸時代で生きなければならなくなる信じられない状況を受け入れ、真摯に生きていく姿を、
大げさな演技でなく淡々とナチュラルに、それでいて熱いものをしっかりと内に秘めて演じ、役者大沢たかおの連ドラでの代表作を作りあげました。
そして見直したという意味では、それ以上だったのが坂本龍馬を演じた内野聖陽。
これまでこの人の舞台出身ならではの濃い演技が苦手で敬遠しがちだったのですが、
この坂本龍馬は実に魅力的な坂本龍馬でした。
高知で実地に土地の人と交流して学んだという土佐弁が見事で、まだ歴史的な偉業を果たす前ながら、行動力や弁舌に器の大きさを感じさせる名演技でした。
食わず嫌いはいけないと反省し、その後は内野主演の「臨場」も見るようになりました。
そして、花魁野風を演じた中谷美紀。現代的な雰囲気の彼女と花魁は結びつきにくかったのですが、こちらも吉原という閉鎖的な環境で育てられた女の意気地と哀れを、演じきっていました。
梅毒で死ぬ先輩を見送るシーンの「おさらばえ」や最終回の雪の別れのシーンの「幸せになるでありんす」は今も耳に残っています。
そんな中谷と優劣つけられず、ドラマアカデミー賞で最優秀助演女優賞を2人にしたほど良かったのが、綾瀬はるかの咲です。
仁を尊敬し医術を学ぶひたむきさは、武家の娘らしく芯の通った一途さで、綾瀬はるかにぴったりの役でした。
「ホタルノヒカリ」の干物女も好きですが、やはり咲を演じる綾瀬はるかが私めは好きです…(照)
この4人以外にも、武田鉄矢の緒方洪庵の死を前にしての言葉には泣かされましたし…
龍馬と比べて自分の器の小ささに悩む小出恵介の恭太郎にも共感の持てるキャラでした。
先週日曜日に放送されたPR番組によると、前回で解決しないまま残っている謎が7つもあるそうです…
(残しすぎ…)
それらが一つ一つ解き明かされるのか…楽しみにしたいと思います。
映画ですべてが…はやめて欲しいものです。
くれぐれも!!