今日は番組批評ではなく、春ドラマ全体の中で、気になっていることを書きたいと思います。
まず最初のテーマは…
お医者さんを演じている役者たちが、それぞれのドラマの中でいい味を出しているということ。
それは誰かというと…
「グッドライフ」でわっくんの主治医円山医師を演じてる伊原剛志。
「生まれる。」で産婦人科医の近藤を演じてる大杉漣。
「犬を飼うということ」で獣医の奈良橋を演じてる杉本哲太。
そして、おまけとして「リバウンド」で信子のダイエットの指導をしてる神谷を演じてる半海一晃。
皆、個性的なお医者さんで、それを今や連ドラに欠かせない脇役者たちが、さらりと演じているのです。
まずは
「グッドライフ」の伊原剛志。
とかく重苦しくなりそうな白血病のくだりを、見やすくしたのはCLSの榮倉奈々の笑顔と、この伊原剛志の微笑みでした。
小児科医は子供たちの死を看取ることも多い、ツラい仕事です。
伊原の微笑みにはそういった苦しく悲しい経験を経た上でたどり着いたであろう深さが感じられます。
患者や患者の家族とのスタンスの取り方も飄々とさりげなく、かつ細やかで、理想的な医師像です。
以前は直線的で力の入った演技をする人でしたが、年齢を重ね、演技に柔軟性が加わったのを今回も証明してみせました。
続いて
「生まれる。」の大杉漣。
こちらはチョコレートに目がなかったり、患者にずけずけと物を言う変わり者の医師です。
毎回のようにある田中美佐子とのカウンセリングのシーンは、2人のやりとりが絶妙で、このドラマでホッとできる数少ないシーンになっています。
患者の疑問や悩みに対して「こういう風に考えたらどうだろう…」と視点を変えて答える話には説得力があり…なるほどと思えるものが多いです。
口は悪いが、妊婦や胎児のことをよ~く考えてくれてる人情味が、さすが大杉漣!って感じで演じられています。
続いて、「犬を飼うということ」の杉本哲太。
今や毎クール、どこかに出ているこの人。
このドラマでは、はじめの頃はおっかないことを言うヘンな獣医でしたが、
主人公一家と親しくなってからは、優しく気のいい人になっています。
前回、泉谷しげると鍋奉行を争うくだりは笑えました。
この人もいい役者になったな…としみじみ思います。横浜銀蝿の弟分だったなんて今ではウソのようです。
最後に
「リバウンド」の半海一晃。
「タイガー&ドラゴン」のおでん屋や「怪物くん」のじいやでお馴染みのこの人。
クセの強い役が多い人ですが…「リバウンド」では珍しくお医者さん役。
とはいえ、この人が演じるとなるとやはり一風変わったものになり…
いかがわしい薬を服用させ、信子や太一の暮らしぶりを見抜く怪物的な医師を演じてます。
今や貴重な脇役さんです。