春クールに放送された連ドラで最終回まで私めが見た10本を対象に選ぶ、春ドラマアカデミー賞。
続いては最優秀助演女優賞と最優秀助演男優賞です。
まずは…最優秀助演女優賞。
ノミネートしたのは5人の女優さんです。
「ようこそ、わが家へ」
山口紗弥加
竹中直人演じる真瀬部長の不正を執拗に探り出しては追及しようとする「領収書探偵」の西沢を仏頂面なクセの強い演技で見せました。
その気迫が会社のシーンの緊張感を高め、ストーカー部分が緩い分、こちらが楽しみなシーンになるほどでした。
この人はキャリアを重ねて個性的な役で光る性格女優になってきましたね。
「Dr.倫太郎」
蒼井優
作品自体はイマイチでしたが、二重人格者を演じ分けた蒼井優の演技は回を追うごとに凄みを増していき、それを見るがためにリタイアしないで見続けるということになりました。
デリケートな心理の移ろいをここまで演じる力量によって、やはり蒼井優は只者ではないというところ見せ付けた感がありました。
「Dr.倫太郎」
高畑淳子
このところイイお母さん役が多かったのですが、今回は蒼井優演じる娘に金をせびり続け、精神的にも支配しようとするクズな母親を怪演しました。
本人もここぞとばかり楽しんで演じていてやりすぎなところも見受けられましたが、この母親あってこそ娘の悲劇も浮かび上がるので、その点の盛り上げ方は見事でした。
余貴美子とのバトルも凄まじかったですね。
「天皇の料理番」
黒木華
この人は現代では得がたい女優さんですね。その古風な風貌、つつましい言動、そして芯の強さ。
明治、大正、昭和という時代を描くドラマの中で、こんなにもしっくりはまる若手の女優さんが他にいるでしょうか?
俊子が亡くなる回はホント泣かされました。それはこれまでの回で彼女が印象をくっきりと残してきたからであり、黒木華=俊子のような存在感ゆえでした。
「天皇の料理番」
美保純
こちらのあの時代の母親というものをすんなりと演じていて、ホント美保純ってイイ役者になったな~としみじみと思わせてくれる演技でした。
抑えた演技の中に情感をこめるということが、ごく自然とできていて息子を思う気持ちがよく伝わるイイお母さんぶりでした。
以上5人の中から今回、最優秀助演女優賞に選ばれたのは…
黒木華
「天皇の料理番」
もうダントツです。文句なしの受賞でしょう。
この人がこれからどんな役を演じていくのかがとても楽しみです。
時代劇にも出て欲しいですし…。
いずれにせよ貴重な存在の女優として成長していくでしょう。
今回の役はそのエポック的な代表作であることは間違いありません。