このドラマはひろし(松山ケンイチ)とピョン吉(声=満島ひかり)を取り巻く一人一人がみな愛すべき人物で、
それぞれの思いがちょっとしたセリフや回想シーンなどで分かるよう目配りされている脚本は、群像劇のお手本のようで度々感心させられます。
日本テレビ 土曜21時
「ど根性ガエル」第8話
主演…松山ケンイチ
脚本…岡田恵和
演出…菅原伸太郎
このドラマって悪い人が出て来ないんですよね。
こんな町に住みたいな~、昔はこんな人たちがいたな~って思える現代ではファンタジーとすら言える世界。
そこでの選挙活動とか言ってもあまり現実味がなくて、正直ゴリライモ(新井浩文)が当選するかどうかは、ゴリライモには悪いけどあまり興味は無いんです。
むしろ、ゴリライモが昔、京子ちゃん(前田敦子)に言われたことを今も大事な思い出にしている…みたいなことが、このドラマの妙味なんですね。
京子ちゃんの自分を人として見て仲間に…って涙ながらの主張は、ちょっと唐突すぎて、前田敦子の熱演が上滑りがちに見えたのは気の毒でした。
申し訳ないけど、京子ちゃんがひろしとゴリライモのどちらを取ろうと、それもあまり興味わかないんですよね。
やっばり一番はひろしとピョン吉の関係で、今回もみんなの前でやる漫才、京子ちゃんの前でやる漫才、どちらも掛け合いの間の見事さに惚れ惚れし、
京子ちゃんへのひろしの思い、ピョン吉への思いがジンワリ伝わり、この二つだけでも十分満足でした。
成長してなさそうでも、いくらかひろしは成長してるんですよね。
今回の評価は…