このドラマはコメディとしてはさほど面白いとは思わないんですが、タイムスリップものとして真面目な要素も入れ込んできて、
それが存外、うまくいっているなと思っています。
今回もまさか、このドラマでホロリとさせられるとは思っていなかったので、よい意味での裏切りがありました。
テレビ朝日 金曜23時15分
「サムライせんせい」 第3話
主演…錦戸亮
脚本…黒岩勉
演出…常廣丈太
錦戸亮が演じる主人公武市半平太は、神木隆之介が演じる坂本龍馬ほど誰もが知っている人物ではありませんが、歴史に名を残す人物ではあったわけです。
…で、その武市のことを知ると、更にこのドラマは面白みを増すという仕組みになっていて、今回はいかに武市が愛妻家であったかがフィーチャーされた回でした。
たまたま武市が今いる神里村に2時間ドラマのロケで訪れた女優が武市の妻富子(谷村美月)に瓜二つで、
武市はてっきり富子もタイムスリップしてきたのかと思い込み、撮影現場に近づいて話しかけてしまうのでした。
そのへんがちょっとドタバタになるんですが、武市の一途さの方が強調されて、女優が富子ではないと知ると、浮気性のその女優の共演している彼氏の男優との仲を取り持ってあげるのでした。
武市の朴訥さをや武骨さを錦戸亮がうまく自分のものにしてきていて、やたらと現代に順応していて調子のいい龍馬との対比がいい感じになっています。
龍馬がいかに世渡り上手で、武市はその逆だったかが分かってそれはそれで歴史好きには面白いものになりつつあります。
来るなり歴史の教科書を読み込んでその後の日本について学んでしまった龍馬と違って、なかなか歴史の教科書を見ようとしない武市。
歴史に詳しい佐伯(森本レオ)に1つだけ教えて欲しいと、富子が自分が死んだあとどうなったかを聞きます。
自分が死んだら身寄りは無いし、子どもも無く、藩からの給料も無くなって苦労したろうと気がかりでならなかったのです。
…で、佐伯は富子は半平太が獄につながれている間も、自分も布団には寝ずに板の上で寝ていたこと、半平太の死後は養子をもらい、生きながらえて長寿をまっとうしたことを教えてあげました。
それを聞き、安堵して涙ぐむ武市。私めも貰い泣きしそうになりました。
また森本レオの声がいいんですよね、こういう時の。
今回の評価は…