演技賞の最後は最優秀主演男優賞の発表です。
今クールは男優の主演作品の方が多かったので、ノミネートも悩みましたが以下の5名にしぼりました。
まず1人めは…
オダギリジョー
「おかしの家」
オダギリジョーならではの演技でしたね。働きもせず駄菓子屋の裏庭で仲間たちと、無駄話をしながらボ~っとしている。
そんな浮世離れした男をすんなりと演じてしまうのは彼ならでは…。
ナンセンスな場面でも、それを変に思わせないふところの広さ。こういうユニークな作品でこそ、オダギリジョーが輝きを放ちますね。不思議な役者さんです。
2人めは…
向井理
「遺産争族」
個性的なクセモノ役者たちに囲まれながら、彼らに圧倒されずに主役として渡り合ったところに向井理の成長を感じました。
本当は善人か悪人か分からないファジーな演技をしてくれたおかげで、このドラマの面白みが増したのは確かです。
悪役を演じたり、映画や舞台でも経験を積んだのが良い形で出たんでしょうね。
3人めは…
濱田岳
「釣りバカ日誌」
CMでの金太郎役もはまり役ですが、このドラマの若き日のハマちゃんも、彼ならではのはまり役になりましたね。
子役からの長いキャリアで培われてきたものが見事に開花した年でした。
引き続き来年の活躍が楽しみです。
4人めは…
綾野剛
「コウノドリ」
憑依したように役になりきるタイプの人ですが、いかにも役作りしました…という感じが今回はあまり表面に出なくて、
産科医らしさをナチュラルに演じることに努めて成功していました。
群像劇の中にあっても、主役としての存在感をしっかり打ち出しながら、周りの役も引き立てる…
役者としての幅が広がった証でしょう。
5人めは…
錦戸亮
「サムライせんせい」
最初のうちは脚本の出来が良くなくて、演技の軸がしっかりしていませんでしたが、
途中から脚本も良くなり、役柄もどんどん魅力的になっていきました。
武士としてのたたずまいの良さも出色で、岡田准一のように本格的な時代劇の主演も期待できそうです。
以上5人の中で最優秀主演男優賞に選んだのは…
綾野剛
「コウノドリ」
これは文句なしでしょう。
彼が出演した「八重の桜」の脚本家が脚本を書き、同じく「空飛ぶ広報室」の演出家がまた演出をした…
そんなプロセスで綾野剛が懸命に頑張ってきた成果が、この傑作の主役を演じることにつながったんだと思います。
役者にとって人との出会い、そして作品との出会いがいかに大切かを証明する良い例だと思います。
明日は秋ドラマの満足度ランキングと最優秀作品賞を発表します。