自由奔放なコミカル時代劇…「ちかえもん」第1~3話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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ネットの感想レビュー投稿で評価が高いので、これは見なければと録画していた3話分を一気に見ました。






面白い!これは掛け値なしに面白い!
今クールで一番の面白い作品に私めの中では一気に駆けあがりました。






まだご覧になってない方も、私めの記事を読まれた上で、今週の第4話からご覧になることをお勧めします。





NHK  木曜20時
「ちかえもん」第1~3話

主演…青木崇高
脚本…藤本有紀
演出…梶原登城





時代劇は、私はあんまり…って方にも、このドラマは見ていただきたいんです。
なぜなら時代劇という窮屈なカテゴリーから自由奔放にはみ出している作品だからです。






はるか昔、私めがまだガキだった頃にNHKで「天下御免」という時代劇がありました。





江戸時代の奇才平賀源内を主人公にしていながら、登場人物たちは現代語をしゃべるし、放送当時の世相を風刺するようなセリフや場面がでてくる斬新な時代劇で、





ガキだった私めは他の時代劇と違うその面白さに魅せられ夢中で見たものでした。






「必殺」シリーズにもそんなところがありますが、最近で言えば「JIN-仁」や「信長協奏曲」「信長のシェフ」とかもタイムスリップを使って時代劇に新味を入れた作品ですよね。






…で、この作品はどこがどう面白いかというと、日本のシェークスピアと言うべき人形浄瑠璃作者・近松門左衛門が、スランプに陥っていて、いかに現代でも上演されている名作「曾根崎心中」を生み出しスランプを脱したかを描いてるんですが…





この近松(松尾スズキ)の描き方が実にユニークで型破りなんです。





まるでコミックの主人公の吹き出しのセリフのように心の声がしばしば流れるんですが、「ウッソ~~ん」とか「まだ書けてな~~い」とか松尾スズキらしさ全開のゆる~い笑いを呼ぶセリフの連発なんです。






さえない中年男の心の声という意味では「東京センチメンタル」の吉田鋼太郎演じる卓三の心の声も笑えますが、





あちらはシンプルに色恋に関する心の声なのに対して、こちらはまわりの人物の言動へのリアクションだったり、自分のぼやきだったり、妄想だったり、さまざまなパターンがあり、それが何とも言えないこのドラマの魅力になっています。




いきなり現代の歌を歌い出したりもするんです(笑)
これも見どころの1つです。選曲が絶妙。





近松が主役のようなんですが、主役は青木崇高演じる不孝糖売りの万吉で、このバイタリティー溢れる型破りな男が本人の意図しないところで近松やまわりの人物に影響を与えていくんです。





松尾スズキがさえないオヤジを好演しているのと同様に、青木崇高も豪快に快男児を好演していて、実によいコントラストになっています。






二人のまわりにも適材適所の役者ぞろいで、
近松にとってのブロデューサーである竹本義太夫に北村有起哉、
スポンサーである豪商の平野屋に岸部一徳、
その息子で放蕩者の徳兵衛に小池徹平、
徳兵衛が惚れてしまう遊女お初に早見あかり、
近松の相手をしてくれる年増の遊女に優香。
手練手管に長けた遊女屋の女将に高岡早紀。



中では第3話でフィーチャーされた小池徹平の寂しさを抱えた放蕩息子ぶりが、小池徹平の実力をいかんなく見せてくれました。





コミカルなところばかりでなく、しんみりさせる人情話的な部分もしっかり書かれていて藤本有紀の脚本は実に秀逸です。





「あまちゃん」や「マッサン」を演出した梶原登城の演出ものびやかで、歯切れがよく快調です。





楽しみな作品を見つけて嬉しい限りです。





第1~3話の評価は…4